[画像] スプリンターズSでG1初制覇を果たした西村淳がホースマンの兄とともに描く目標

 「スプリンターズS・G1」(29日、中山)

 「大西さん写真撮ってもらっていいですか?」

 声の主は西村淳也騎手。傍らには調教で一緒になった6歳上の兄で、浜田厩舎所属の勇哉助手の姿があった。先に乗馬を始め、自らが騎手を志すきっかけとなったのが兄。年齢が離れており、ホースマンを目指して早く家を出た兄と一緒に暮らした期間は短いが、仲は良く、心強く、励みにしている存在だ。

 淳也騎手の重賞初Vが21年3月14日の金鯱賞(ギベオン)。兄の担当馬の重賞初制覇は、その6日後に同じ中京で行われたファルコンSのルークズネストだった。単なる偶然ではなく、互いに刺激し合い、高めあってきたから、競馬の神様が味方してくれたのではと当時感じたことを思い出す。

 G1ジョッキーになる夢をかなえ、女手一つで育ててくれた母への感謝を語っていた淳也騎手。そのヒーローインタビューを聞きながら、以前に聞いた兄弟の目標が脳裏によみがえった。「いつかお兄ちゃんの馬で大きなレースを勝ちたいですね。絶対にお母さんも喜んでくれると思うので」。2人で母に朗報を届ける日を楽しみにしたい。(デイリースポーツ・大西修平)