[画像] 5万5598人が来場したJ2天王山。横浜FC井上潮音はリードを守り切れずドローに悔しさ滲ませる「こういう雰囲気のなかで100パーセントの力を発揮できないと」

[J2第33節]清水 1−1 横浜FC/9月28日/国立競技場

「これだけの雰囲気のなかでやって、こっちのサポーターも多く来ていましたし、そのサポーターになんとか勝利を届けたかったので残念です」

 そう振り返ったのは、横浜FCの井上潮音である。

 J2で首位に立つ清水エスパルスとの頂上決戦。勝点1差で追う2位の横浜FCは、一進一退の攻防が続くなか、スコアレスで迎えた56分にジョアン・パウロのヘディング弾で先制するも、74分に失点し、1−1で引き分けた。勝てば首位に立てる一戦だっただけに、リードを守り切れなかったのは悔やまれる。

 ボランチで先発した井上は「先制できましたし、チームとしてそこまで悪くなかった」としつつ、反省を口にする。
【画像】首位決戦で選手と共に戦った横浜FCサポーター!
「あの雰囲気のなかで、自分は100パーセントを出せていなかった。いつも(ボールを)取られないところで取られてしまったり、いつも取れるところで取れなかったり。相手のクオリティもありますけど、こういうレベル、こういう雰囲気のなかで100パーセントの力を発揮できるようにしないと、J1に上がった時に厳しい。そういった意味では良い経験になりました」

 大注目のJ2天王山には、リーグ歴代最多となる5万5598人の観衆が集まった。その多くはホームとしての開催である清水のサポーターであったが、横浜FCサポーターの声もしっかり届いていたからこそ、井上も「たくさんのサポーターが来てくれていたので、勝利を届けたかった」と唇を噛む。

 横浜FCのチーム目標は「J1昇格・J2優勝」だ。今節で清水と勝点1を分け合ったため、勝点1差の2位という状況は変わらない。リーグ戦は残り5試合、今後に向けて井上は「優勝してサポーターと喜び合いたい」と意気込んだ。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)