石田:幼少期から恥ずかしがり屋だったので、性に関することはプライベートでも話したことがなく、考えもしなかったんです。でも、そこを逆に見せることで、新たな感覚が得られるんじゃないかと思い、人生が大きく変わる時が来たんじゃないかと感じたんです。アイドルとして活動していた時は、自分の本音よりも、自分がどう見られるかを強く意識し、周りの方からどう評価されるかを強く意識していたので、表面的な自分が染み付いていたんです。例えば笑顔も自然なものではなく、決まった笑顔をしていたことが多かったんです。いま自分のテーマとしては殻を破りたい思いが強く、最も大切にしていることが「正直な自分を生きること」なので、今回のデビューを決意しました。

--オファーから2年間もデビューするかどうか考えたそうですね。

石田:確かに2年という時間が長いと言われれば長いのかもしれません。私自身、セクシ一女優のお仕事が、必ずしも全員が喜ぶお仕事ではないと思っていて、できる限り周りの方々に配慮しようとしました。その結果、まずは全ての知り合いの方との連絡先を断ちました。その上で連絡先を断った後に、自分がどんな気持ちになるのかを体験してみたかったんです。また、初めてお会いする方と性行為をすることができるかどうかを考えたんです。

--そこまで覚悟を決めていたんですか。

石田:お仕事になったら、どんな気持ちであろうと必ずやり切るということを決めていたので、本当にできるのかなって考える時間が必要でした。それほど覚悟が必要なお仕事だという感覚がありました。

--知り合いというのは芸能関係者ですか?

石田:いえ、全員です。

--とはいえ、知り合いからは石田さんに連絡したいですよね?

石田:そう思っていただけるのは、私としても非常に嬉しいですけど、例えば1人だけ連絡先を残しておくと、その人は私のために周りに嘘をつかなければならないような負担をかけてしまうこともあるのかなと思ったんです。私がセクシー女優になることで、誰かに重荷を背負わせたくなかったので、全員との連絡をきっぱりと断つことが最善だと思いました。

◆アイドルと違って“決めポーズ”がないことに不安やソワソワも

--裸の世界への戸惑いはありませんでしたか?

石田:水着姿は経験がありますが、全く布がなく隠すものがないというのは、こんなに恥ずかしいものかと思いました(笑)。

--セクシー女優になると発表した時、「石田佳蓮」を知っていたファンの反応はどうでしたか?

石田:どうなんですかね? セクシー女優のお仕事をするとなっても、未だに「応援するよ」と言ってくれる方がいるのは、本当に嬉しいことと思っています。SNSの反応も嬉しいですけど、イベントなどでファン様の顔を見て話した時に、いろいろと実感することになると思います。

--そもそも業界のイメージはどう抱いていましたか?

石田:そういうお仕事があるのは知っていましたが、興味がなく、作品を見たことがなかったので何もイメージがありませんでした。本当に何も知らなくて、モザイクがかかることも知りませんでした。それくらいイメージがなかったですね(笑)。

--ははは(笑)。無修正だと捕まっちゃいますよ。アイドル時代に女性同士でキャッキャ言いながら見たこともないですか?

石田:そういう体験もなくて、絶対ありえない世界でした。

--そのありえない世界に出演して、実際の撮影はどうでした?

石田:場当たりもカット割りもなく、あんなに長回しで撮るんだってビックリしました。

--初めて人前で洋服を脱ぐシーンはどうでしたか?

石田:例えばイメージDVDの水着撮影だと、決めボーズをして笑顔を作るといったアイドルらしいテーマがありますよね。でも、セクシービデオは、ただ、ただ、脱ぐという状態なんです。