松本人志と『週刊文春』の裁判の行方が注目されている中で、ちょっと驚きのニュースが出ている。「電撃和解」があると一部メディアが報じたのだ。
簡単におさらいすると、松本は’23年末に『週刊文春』に、複数の女性に性的行為を強要したと報じられた。松本は報道を全面否定し、名誉を毀損されたとして、同誌の発行元である『文芸春秋社』と同誌編集長を相手取り、5億5千万円の損害賠償を求め裁判を起こした。
松本は裁判に注力するため、芸能活動を休止すると発表。今年3月、第1回口頭弁論が東京地裁で開かれたが、 松本自身は出廷しなかった。
松本サイドがみせた”焦り”
そして、第2回弁論準備手続が8月に行われる予定だったが、延期となった。これが憶測を呼んでいるようなのだ。
その間、“不穏”な動きもあった。
『週刊文春』(7月18日号)が、松本の代理人である田代政弘弁護士が探偵事務所に依頼して被害を訴えていた女性の身辺調査をしていたと報じたのだ。
また、記事によれば田代弁護士自らが女性と親交のある人物に接触、女性を説得して出廷を辞めさせるよう依頼したという。
「このままでは分が悪い。報道の通りであれば、勝てないまでもなんとか和解に持ち込めることができるようにあの手この手を使って、自分たちが有利になるようにしたいということでしょうが、松本さんサイドに“焦り”が出てきているように感じます」(女性誌記者)
そんな中で、情報番組などにコメンテーターとして出演する細野敦弁護士が8月28日に自身のYouTubeチャンネルを更新し、
《8月中に和解ができるのかどうかってところじゃないですかね。水面下で進行している和解、合意の話が、そんなに長くは引っ張れないと思うので》
と、両者が和解に向けて動いていて、“和解が成立する可能性が高い”と見解を示した。
細野弁護士の見解に対し、SNSでは
《鋭い。芯を食ってる》
《ありえる話だ》
という声もあるが、前出の女性誌記者を含め週刊誌記者たちは
「細野弁護士は8月14日の第2回弁論準備手続きが直前に延期になり、さらに次の日程が決まっていないことが、和解に向けて動いており、それが成立する可能性が高い根拠として述べていますが、根拠としては薄すぎます。和解ということは松本サイドが訴えを取り下げることになります。その条件として文春サイドに求めるのは記事内容に間違いがあったと認めさせることだと思いますが、それはあり得ないことです。なぜなら、それをすると“週刊誌は嘘ばかり書いてる”、“ウソ記事で1人の人生を奪っている”と週刊誌批判をしているネット民や松本のファンは“それ見たことか”と一斉に週刊誌攻撃をするでしょうから」
と、文春サイドが和解に応じることには“違和感がある”と口を揃える。
局事情で降板と“自ら降板”は大きく違う
「仮に無条件で松本サイドが訴えを取り下げた場合は、裁判で勝てないと判断したからだろうととられかねない。それはすなわち、文春報道が“事実”だと認めることになるので、それもないと思います」(前出・女性誌記者)
また、和解が囁かれる裏で、松本の“テレビ復帰”もウワサされてきたが、テレビ局関係者によれば、
「何年か先はわかりませんが当面はないでしょう。あくまで疑惑であって本人が否定しているにもかかわらず局側から休業をお願いしたなら、決着がついて松本さんが勝った場合は戻ることになるでしょう。ですが、まだ白黒ハッキリしていない時点で自ら身を引いてしまったので、局側に対して相当迷惑をかけています。イメージが悪くなったタレントをあえてまた起用することはないと思います。代わりのタレントで何とかなっていて、松本さんがいなくなって困っているという話も出てないですから……」
と、復帰がないと断言はしないが、かなり難しいのではないかという。
そして、広告代理店の社員にも話を聞くと、
「難しいのではないでしょうか。特定の飲み会の記事で裁判になっていますが、他の飲み会での話やエステ店でセラピストにセクハラしたとも報じられています。熱狂的なファンは信じようとしませんが、女性を嫌悪感を抱いている女性も少なくない。それはスポンサーも同様です。番組が使いたいと言ってもスポンサーが首を縦に振らないでしょうし、編成だってOKしないでしょう。過去に何年もかかってテレビ復帰した例はありますが、今はそうはいきません」
とテレビ復帰へのハードルはかなり高いようだ。
“和解”に“テレビ復帰”という可能性の低い曖昧な情報が錯綜するのは、週刊誌やテレビ界のことをよくわかっていない人が多いからだろう――。
取材・文:佐々木博之(芸能ジャーナリスト)