[画像] 「僕も奮起しないと」戸郷8回4安打無失点で堂々12勝…「完璧じゃないですかね」阿部監督賞賛

 巨人6−0DeNA(セ・リーグ=19日)――巨人が3連勝。一回に吉川の適時二塁打などで3点を挙げ、その後も岡本和の2ランなどで加点した。優勝マジックを8とした。DeNAは攻守に精彩を欠いた。

 前夜、巨人は投手8人をつぎ込んで引き分けに持ち込み、優勝へのマジックナンバーを点灯させた。「僕も奮起しないといけない」。刺激を受けた戸郷は堂々たる投球を披露し、八回までゼロを並べた。

 最大のピンチは四回。二死一塁から宮崎にストレートの四球を与え、桑原はすっぽ抜けたフォークボールが死球となった。それでも、戸郷は動じなかった。伊藤への初球、149キロで遊ゴロに仕留め、「今日は真っすぐも良かった。(大城)卓三さんが強気のリードをしてくれた」と振り返った。

 9月末にプロ初勝利を挙げた1年目の2019年、9勝の20年と、チームはリーグ連覇を果たした。しかし6年目の今季、その頃とは全く立場が違う。「(当時は)自分の勝ちだけを意識していた。今はチームの勝利、中継ぎのこと、と考えることがたくさんある」

 少しでも長いイニングを投げ、勝利に導くことがエースの仕事だと自覚する。テンポ良く、大胆にストライクゾーンで勝負し、8回4安打無失点。今季の通算投球回を173に伸ばし、自己最多を更新した。先発投手として理想的な働きぶりに、阿部監督も「投手陣を引っ張ってくれている。中継ぎ陣は休めたし、頼りになる」と手放しでたたえた。

 勝負の9月は3試合に登板し、計21回無失点で3連勝。3年連続となる自己最多タイ12勝に到達した。「(シーズン)後半の勝ちがチームにもたらす影響が、どれだけ大きいかは分かっている」。残りの登板でも勝ち続けて過去の自分を超えていくことが、チームを4年ぶりのリーグ制覇に近づける。(井上雄太)

 巨人・阿部監督「初回に3点を取れたのがゲーム展開を楽にしてくれた。戸郷がナイスピッチング。完璧じゃないですかね。(岡本和の2ランは)すごく大きい追加点になった。あれで勝負あり」