米IBMは9月17日(現地時間)、Kubernetesのコスト監視・最適化ソフトウェアを提供するKubecostの買収を発表した。
○FinOps関連の企業を相次いで買収するIBM
昨今、Kubernetesの利用は急速に拡大しており、現在84%の組織がこれらのテクノロジーを使用・評価しているという。データセットがより複雑になるにつれ、コンテナ経由でデプロイされる最新のワークロードが広く活用されるようになり、こうした共有リソースのコストの可視化、管理、リソースの最適化はクラウドを利用する上では喫緊の課題となっている。
そのため、クラウドのビジネス価値を最大化する運用フレームワーク実践であるFinOpsは、これらのワークロードの複雑性を管理するための実行可能で戦略的なアプローチを組織に提供するという。
IBMが2023年にApptioを買収したのを皮切りに、Kubecostが加わることで、コンテナコスト管理を提供するIBMのFinOps製品群が拡充される。すでに「IBM Cloudability」のFinOps機能と「IBM Turbonomic」のAI自動化クラウドパフォーマンス最適化統合を1つのソリューションに統合し、ワークロードがどこでホストされているかに関係なく、クラウド投資の情報提供、最適化、運用を提供している。
Kubecostは、インフラストラクチャの支出を把握・削減し、Kubernetes環境内での過剰なプロビジョニングを回避するために必要なリアルタイムのコスト可視性と洞察を提供。Kubernetesとクラウド課金APIへの直接統合により、FinOpsチームはワークロードの包括的なビューを取得してクラウド支出を最適化し、リソースベースの停止を防ぐことができるという。
また、今回の買収はサイロ化したツールの解消に向けたIT運用の自動化を提供する「IBM Concert」をはじめ、Apptio、Turbonomic、Instana、NS1、Pliantといった戦略的買収を通じて、自動化のポートフォリオ強化に向けた一環であり、組織の複雑性を軽減し、組織のIT環境の制御を強化するのに役立つとしている。
なお、Kubecostは2019年に設立し、カリフォルニア州サンフランシスコを拠点としており、共同創業者兼CEOのWebb Brown氏と共同創業者兼CTOのAjay Tripathy氏が率いている。