[9.15 J2第31節 横浜FC 1-0 甲府 ニッパツ]

 大卒ルーキーは新たなポジションで研鑽を続けている。ヴァンフォーレ甲府のMF村上千歩は左ウイングバックでフル出場。首位・横浜FC相手の敗戦に「内容含めて相手にやられた」と悔しさをにじませていた。

 16試合無敗を続けていた横浜FCを相手に、守備を張った甲府は反撃を狙った。「守ったなかでカウンターで一発を狙おうというのはチームとして共通認識を持っていた」(村上)。それでも、ボールを保持されるなかで甲府は前半シュート1本のみ。後半はロングボールで相手ゴールを脅かしたが、終盤に相手のセットプレーから失点を喫し、0-1で敗れた。

「本当はもっともっとボールをつないで、自分たちがボールを持ちたかった。だけど、こういうなかで勝ち点1や3をもぎ取らないといけない」。そう語る村上は、自身の出来について「攻守で相手を上回る質をもっと出していかないといけない」と振り返った。

 名古屋グランパスU-18のときはFWとして活躍。2019年のJユースカップでは得点王に輝き、チームのタイトル獲得に貢献してきた。専修大でも前線のポジションでプレーしていたが、プロ入り後は右WBとして起用される。今節は初めて左サイドでプレーすることになった。だが、大学時に左サイドハーフでプレーしたこともあり、村上は「違和感なくやれた」と語る。「だけど、もっとクロスやシュートで終わるチャンスを増やしていかないといけない」と課題を口にした。

 参考にしているプレーヤーとして、村上は毎熊晟矢(AZ)や山原怜音(清水)の名前を挙げる。今後はさらに結果を求め、「リスクを持ちながらもっと逆サイドのクロスに入っていくところは意識したい」と得点への意識ものぞかせた。新たなポジションに順応しつつ、持ち前の得点力発揮にも期待が高まる。

(取材・文 石川祐介)