9月14日に日本記者クラブ主催の公開討論会が行われ、自民党総裁選に出馬した候補者9名が集結。約2時間にわたって熱い論戦が繰り広げられ、その様子は各メディアでも中継が映し出された。だが、小泉進次郎元環境相(43)の主張がまたも不安視されているようで……。

第一部では各候補者が1分以内で主張をし、その後は候補者同士で討論するスタイルがとられた。注目を集めたのは、上川陽子外相(71)が小泉氏にこう質問を投げかけた時のことだ。

「昨年日本は、G7サミットの議長国でありました。また国連の安保理の理事国を2年間、また今年もその役を仰せつかっております。来年は2025年、カナダのカナナスキスというところで、G7の首脳会議が行われます。その場は大変重要な日本をはじめとして、G7の国々のメッセージを発信する場でもあります。総理として首脳会議におきまして、どのような発信をなさるのでしょうか?」

すると小泉氏は「ありがとうございます」と上川氏に伝えた上で、笑顔で「カナダの首相はトルドー首相です」と切り出し、こう続けた。

「トルドー首相は、就任した年は43歳です。私は今、43歳です。この43歳、総理就任というトップ同士が胸襟を開き、新たな未来思考の外交を切り開いていく、新たな新時代の扉を開けることができるG7サミットに、主催国であるカナダとしていきたいと考えています」

その上で、「外交の時代というのは、最後はトップ外交だと思います。この今、総裁選で戦っているメンバーの皆さんで、外務大臣経験者は何人かおられます。しかし、首脳外交をやった方はいません。同じステージに立っていると思って、カナダのサミット、総理就任同い年のトルドー首相とともにG7の連携がさらに深まる、そんなサミットにしていくことをお約束します」と述べたのだった。

ジャスティン・トルドー首相(52)との連携をアピールした小泉氏だったが、“首脳会談で発信したい事柄”について触れることはなかった。

さらに第二部の報道陣との質疑応答でも、小泉氏の要領を得ない回答は目立った。記者から「首相になったらどのように日中関係を組み立てていくのか」との質問に、「外交の基本軸として日本にとって日米同盟をしっかりと強化をしていく」とコメント。

その上で、「中国に対しては今、一党独裁から一人独裁になりつつあります。最終的にいかにトップ同士話すか、これができない限り、様々な件案事項に大きな展開、前向きな打開はないと思います」と主張した。

すると小泉氏は、この流れで北朝鮮についてこう力説したのだった。

「やはり拉致問題。この解決に向けては、私が総理になったら同世代同士のトップになりますから。父親同士が会ってますから。そういった歴史の中で、関係を築いたことの礎のもとにですね。今までのアプローチに囚われない、前提条件をつけない、同世代同士、新たな対話の機会を模索したい。そういったトップの動く外交によって、今まで切り開けなかった新たな展開を切り開いていきたいと思ってます」

首脳外交の重要性を説くも、何かと「同世代」にこだわる小泉氏。北朝鮮の金正恩総書記(40)も同世代ではあるが、その共通点だけで停滞している拉致問題を解決できるとは思えないが……。

一連の主張は16日放送の『ひるおび』(TBS系)でも取り上げられ、「SHIBUYA109 lab.」所長の長田麻衣氏は「高校生みたいなこと言ってる」「同い年だからどうにかなるとかじゃない」と苦言。

政治ジャーナリストの田崎史郎氏(74)も、「カナダの総理と同い年だからというのはちょっとね……。もう少し答えようがあったんじゃないかなと思いましたよ。サミットではこういうことを話し合うとかを話さないで、年が同じだからと言われても、なんかね。そうかな?って」と苦笑いを浮かべていた。

小泉氏の主張にはXでも疑問が相次ぎ、こんな声が上がっている。

《同世代同士なら何でもうまくと行くと思ってんのか?》
《年齢や親父の関係が外交基準? 価値観外交や地政学的分析による説明ができず、トップ同士の人間関係を強調 親戚付き合いと同じレベル》
《進次郎、中国トップは私の父と会ってるから私が総理になったらトップ同士で話して日中友好を… カナダ首相と同年代なのでトップ同士で上手く話をしていく… 何言ってんだ 親父が一度会えば上手くいくと本気で思ってるのか? 同年代同士なら上手くいくと思ってるのか? もう辞退してくれー》