◆勝手に私物に触れられる始末

 Bさんは外国人観光客が場内をウロウロすることは気にならなかったというが、どうにもイヤだったのは勝手に撮影されることだったという。

「韓国や台湾、アジアでも日本のアウトドアブランドは人気らしく、サイトの中にまで入ってきて勝手に写真を撮るんです。のんびりチェアに座っていたら、4人くらいの外国人がきて、何の挨拶もせずにいきなり写真撮り始めました」

 それだけでなく、外国人観光客の団体はランタンなどアウトドアのギアを手に取り始めてしまったため、Bさんは大きな声で「NO!」と言い放った。

「私が怒っているのに彼らは笑いながら片言の日本語で『ゴメンナサイ』って言って、逃げるように出て行きました。写真撮っていいかくらい聞けよって思いましたね」

 のんびりしているところにズカズカ入ってきて、いきなり写真を撮られた挙げ句、自分の大切なアウトドアギアを触られたら誰だって怒るだろう。Bさんも「こんな形でオーバーツーリズムの被害者になるとは思わなかった」と、複雑な顔で話してくれた。

 日本人だろうが外国人だろうが、ルールを守ることは当たり前のこと。マナーを守ってアウトドアを楽しんでほしいものである。

文/谷本ススム

【谷本ススム】
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター