Keiko:でも、すぐにふと思い出したんですよ。私は過去に神戸に住んでいたことがあるのですが、ちょうど大阪にオープンしたばかりのファッションビルがあって、そこに立ち寄った際、そのビルの天井から3メートルはあろうかっていうくらいの巨大な垂れ幕が下がっていて。その垂れ幕が、ミカちゃんのドアップ写真だったんです。なので、「あ、あの垂れ幕もモデルさんだ!って(笑)」

――知らず知らずのうちにアン ミカさんの姿を目にしていたわけですね。

Keiko:とはいえ、それを抜きにしてもオーラが凡人じゃなかったんですよ。ミカちゃんはその時はレオナールのワンピース着ていたのですが、あれを着こなせる方って日本人ではそういないですから。スタイルの良さにほれぼれしましたね。

◆Keikoさんの「積極的に待つ」という言葉で何か降りてきた

――Keikoさんの言葉の中で、アン ミカさんにもっとも刺さったメッセージは何ですか?

アン ミカ:いっぱいあるんですけど…まずパっと出てくるのは「積極的に待つ」ですね。

私はもともとただ待ってることができない性格で、“待機時間中にも自分磨きなり何なりできるんじゃない?”って思っちゃうんですよ。例えば、いつ誰が家に訪れたとしても、その瞬間もすごくちゃんとしていたい人なんです。

――待つ時間も有意義に使いたいということですね。

アン ミカ:ピンポンってチャイムを押されてから、眉毛を書いて服を着替えて…じゃ遅いじゃないですか。でも、そのために準備することを言語化できずにいた時に、Keikoさんの「積極的に待つ」という言葉を見て、「あぁっ!」って何かが降りてきたんです。

――これまで上手く言い表せなかったことが、スッと入ってきた感覚でしょうか。

アン ミカ:私は『プレバト!!』(TBS系列)を見てもらってもわかるように、俳句を詠むことが苦手なんです(笑)。たくさんしゃべったうえでの説明はできるけれど、短いセンテンスで表現ができない。

でも、Keikoさんの本って全て、たくさん説明が必要なこともわかりやすく要約されているので、ポンッて染(し)み入る感じ。だから、すぐに行動に移しやすいんですよ。Keikoさんの持っているメッセージの根幹が、私が常に生きる中で響いています。

Keiko:ミカちゃんにそう言っていただけると、著者冥利(みょうり)に尽きますね。ミカちゃんは自分でもおっしゃっていたけど、言葉数が多いんです(笑)。

アン ミカ:(爆笑)

Keiko:でも、無駄なことは言ってないんですよ。それに、仕事においてはしっかりと計画性もあって準備をしているけれど、それを周囲に見せない。さすがプロです。

◆アン ミカさんのソウルメイトは夫

――今回のKeikoさんの著書の中には「ソウルメイト」という言葉が何度も出てきますね。アン ミカさんにとって、パートナーの方は「ソウルメイト」だと感じますか?

アン ミカ:感じます!間違いなく!まず、私と旦那ってKeikoさんのおっしゃるソウルメイトの条件であるニアミスだらけなんですよ。私が19、20歳のころにパリで挑戦していた時、旦那は仕事の交換留学生として日本に来ていたんです。

彼は、モデルからすれば一番お世話になる広告代理店に勤めてCMや番組のキャスティング業務に携わっていたので、オーディションで会っていたかもしれないわけで。話をしてみると「あれ?その時期、私そのあたりにいたけどな」って思ったり、共通の知人も多かったりします。

――その時点でかなりの縁を感じますね。

アン ミカ:でも出会うことはないまま、私は25歳でニューヨークに挑戦して、彼はどっぷりと日本に住むことを選んでいるんです。さらにその後、彼は独立して海外に行ってしまうのですが、私はその頃に日本定住を決めているんです。