■今週の相場ポイント
 1.日経平均は3週続伸、3万8000円台で小動き
 2.前週FRB議長講演はハト派的、早期利下げ期待
 3.米株市場好調も為替が日本株の動向を左右
 4.エヌビディア好決算・好調見通しも株価は下落
 5.半導体株は軟調、バリュー株が全体相場下支え

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比283円(0.7%)高の3万8647円と、3週連続で上昇した。

 今週は終始方向感に乏しい展開だった。週前半は米半導体大手エヌビディア の決算発表を控えて様子見ムードが強まり、同社の好決算が判明した後も大きく材料視される流れとはならず、週を通して日経平均は3万8000円台で小幅な値動きが続いた。

 週明け26日(月)の東京株式市場は反落。前週末の米国株市場ではジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演内容がハト派的だったことから早期利下げ期待が一段と高まり、景気敏感やハイテク株など幅広い銘柄が上昇。一方、米長期金利の低下によって為替相場がドル安・円高方向に動き、これが東京市場では全体相場の気勢を削ぐ格好となった。27日(火)は反発。米エヌビディアの決算発表を翌日(日本時間29日早朝)に控え、積極的な売買は見送られた。前日終値をはさんで狭いゾーンでもみ合っていたが、後場に入ると買いが厚くなりプラス圏で着地した。28日(水)も上昇。引き続き様子見ムードの強い地合いだったものの、ドル円相場が円安に振れたことで主力輸出株に買い戻しが入った。29日(木)は方向感に欠けるなか小反落。この日早朝に明らかになった注目のエヌビディア決算は5-7月期の売上高、純利益ともに四半期ベースで過去最高を更新。あわせて示した今後の業績見通しも好調だったが、これを受けて同社株は時間外で下落。東京市場では半導体関連株を中心に軟調展開となった一方、バリュー株の一角が買われ全体を下支えした。30日(金)は反発。米4-6月期GDPの上方修正を受けて米景気の底堅さが確認され、前日のNYダウは最高値圏に浮上。この流れを引き継ぎ東京市場も堅調に推移した。

■来週のポイント
 来週は9月2日の米レイバー・デー明けから夏季休暇を終えた投資家が市場に戻ってくる。閑散相場は終わり市場の空気も変わることが予想される。米国市場と為替が値動きのベースとなるが、期日が迫る自民党総裁選や米大統領選の動向にも注意を払いたい。

 重要イベントとしては、国内では2日朝に発表される4-6月期法人企業統計調査、6日に発表される7月景気動向指数が注目される。海外では2日に発表される中国8月財新製造業PMI、3日発表の米国8月ISM製造業景気指数、5日に発表される米国8月のADP雇用統計とISM非製造業景気指数、6日に発表される米国8月雇用統計に注視が必要だろう。

■日々の動き(8月26日~8月30日)

【↓】   8月26日(月)―― 3日ぶり反落、円高進行で利益確定売りが優勢
 日経平均 38110.22( -254.05)  売買高13億1431万株 売買代金 3兆3219億円

【↑】   8月27日(火)―― 反発、朝安も円安が追い風で後場切り返す
 日経平均 38288.62( +178.40)  売買高13億3817万株 売買代金 3兆2309億円

【↑】   8月28日(水)―― 続伸、朝安も主力株が買い戻されプラス圏
 日経平均 38371.76(  +83.14)  売買高13億7271万株 売買代金 3兆2680億円

【↓】   8月29日(木)―― 3日ぶり小反落、半導体関連を中心に売られる
 日経平均 38362.53( -9.23)  売買高16億0305万株 売買代金 3兆8556億円