一部のホンダ車が立ち往生するという投稿、真相は?
2024年8月のお盆、SNSでは連休による高速道路の渋滞や事故などの投稿が相次いでいます。
そのなかのいくつかには「ホンダのハイブリッド車が止まっている」という内容がありますが、いったい何が起きているのでしょうか。
【画像】「えっ…!」これが「ホンダのハイブリッド車が止まる」原因です(42枚)
ホンダ車が立ち往生しているというSNSの投稿は、例年連休時に見られています。
直近の内容では、「先代ヴェゼルが立ち往生してる」「複数台連続でヴェゼル(先代)が止まっている」というもの。
これに似た事案としては、2022年11月に栃木県日光市のいろは坂で発生したものが有名です。
この際、いろは坂では複数のホンダ車が立ち往生していることが投稿されていました。
また2023年5月には中央道の笹子トンネルにて、2台の先代ヴェゼルが立ち往生している様子が目撃され、SNSに投稿されています。
このように先代ヴェゼルの立ち往生が度々見受けられています。
その原因として挙げられるのがホンダの1モーター・ハイブリッドシステム「i-DCD」を搭載するモデルということ。
i-DCDを搭載するのは前述の先代ヴェゼルや3代目フィット、2代目フリード/フリード+、ジェイド、グレイスなどが挙げられます。
このi-DCDとは、エンジンとモーターを組み合わせたホンダ独自のハイブリッドシステムで、従来ハイブリッドシステムの軽量・コンパクトさを継承しながら、優れた燃費性能と力強い加速を実現したものでした。
そのシステム構成のひとつに「高出力モーター内蔵7速DCT」があります。
これは、奇数段用と偶数段用の2系統のギアセットとクラッチを持ち、クラッチを交互に接続することで変速を行うものです。
走行中には次のギアをスタンバイさせておくことで順次に変速することが可能となり、伝達効率が高く、鋭いレスポンスやダイレクト感ある加速が得られのが特徴。
この構造故に、前述の高速道路における渋滞が長引く状況や坂道渋滞など、トランスミッションに熱負荷がかかり高温となることで、安全機能が働いて止まることが理由だと言います。
突然立ち往生、その原因は? その後はどうする?
実際にi-DCDを搭載するクルマで、トランスミッションが高温となった場合には以下の表示がメーター内に表示されます。
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・トランスミッション高温
・トランスミッション高温:安全な場所に車両を停車して下さい
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このような表示が出た場合について、ホンダは次のように注意を呼びかけています。
「トランスミッションの温度が高温となった際にメッセージが表示されるものですのです。
トランスミッションの温度が高温となる走行とは『坂道で時速4km前後でのノロノロ走行』、『坂道でアクセルを踏んで止まっている状態(ブレーキは踏んでいない)』です。
メッセージが表示された場合には安全な場所に車を停車し、非常点滅表示灯(ハザード)を点滅させてください。
特に、高速道路で発生した場合は、ハザードを点滅させながら、十分な幅のある路肩や路側帯へ車を寄せて停め、同乗者をガードレールの外側などに避難させてから停止表示器材(無い場合は発炎筒)を車両後方に置き、
運転者の方もガードレールの外側などに避難してください。
なお、トランスミッションが冷却されれば自動でメッセージが消えますので、アイドリングでトランスミッションを冷やしてください。
メッセージ消灯後はホンダ販売店で点検を受けてください」
※ ※ ※
なお前述の表示は最初に「トランスミッション高温」が表示され、その後「トランスミッション高温:安全な場所に車両を停車してください」が二段階で表示される仕組みとなっています。
そのため前述の該当するモデルに乗っている人で、もしこの表示が出た場合には、まずは慌てないことです。
そして限りなく安全な場所で停車して、販売店に連絡をしてください