前回王者のズベレフが大会後に本音を漏らした(C)Getty Images

 多くのアスリートたちが拠点としているパリ五輪の選手村だが、その評価は終盤戦に入っても一向に改善の気配がない。

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 今回、不満を漏らしたのは、男子テニス世界ランク4位のアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)だ。東京五輪の男子シングルスで金メダルに輝いている27歳だが、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ今大会は、準々決勝でロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)にストレート負け。2大会連続の表彰台入りとはならなかった。

 現在は、カナダ・モントリオールで開催中の「ナショナル・バンク・オープン」に出場しているズベレフ。その初戦でストレート勝利を収めた現地時間8月8日、米テニス専門チャンネル『Tennis Channel』に出演すると、過去2大会の五輪開催地を比較し、「東京の方が好き。もちろん金メダルもとったから」と話している。

 また、「五輪への参加はいつも特別なこと」と前置きした上でズベレフは、「今年は、僕たちがよく知っているローラン・ギャロス(全仏オープンの会場)で開催された特別な年。ただそれと同時に、全く異なる場所でもあった」とコメント。周囲の評判通り、「残念ながら選手村は、最高の場所でなかったといわざるを得ない」という。

 さらに、「僕もドイツチームのみんなと同じようにそこで過ごした」と続けると、「食事や睡眠環境に少し苦労した」とも回顧。「部屋にエアコンがないのも辛かったけど、みんな同じだから文句を言うつもりはない。そういう意味では、東京の方がずっと良かったと思うし、組織としてもしっかりしていた」と振り返っている。

 それでも、「他の選手たちとあの場にいられたのは素晴らしい経験だし、選手村に戻ってこられるのは楽しいこと」と語ったズベレフ。「一番楽しいのは勝つことだけど、今回はそれを達成できなかった」と悔しさもにじませていた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]