日韓両国の若い世代を中心に、松田聖子(62)のあの古きヒット曲が、突如としてリバイバルしている。きっかけは、K-POPで最も旬な5人組ガールズグループ「NewJeans」だったというが、いったい何が起きているのか。
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【写真を見る】「青い珊瑚礁を完全再現!」 昭和アイドルさながらの衣装も披露したNewJeans
昨年末、NHK紅白歌合戦に出場したNewJeansは、韓国発のグループながらここ日本でも高い人気を誇る。6月26、27日には、日本で初めての単独コンサートを東京ドームにて開催した。
「この公演では彼女たちの曲だけでなく、日本のヒット曲のカバーが3曲、披露されました。ひときわ盛り上がったのはメンバーのハニ(19)が、聖子ちゃんの1980年の代表曲『青い珊瑚礁』を日本語で歌った時です。彼女は80年代調のマリンルックに身を包み、聖子ちゃんカットを現代的にアレンジしたような髪形で、見事にこれを歌い上げました」(スポーツ紙記者)
音楽チャートや配信サービスのランキングに原曲が
以降、「青い珊瑚礁」は日本と韓国の両方でリバイバルしていった。
「日本では7月6日、再びハニが音楽番組『THE MUSIC DAY 2024』(日本テレビ系)で、この曲を披露しました。そして、TikTokなどのSNSを舞台に、『青い珊瑚礁』を歌い踊る若者が急増したのです」(同)
一方の韓国でも、
「主要な音楽チャートや配信サービスのランキング上位に、この原曲が入っていきました。現在、ファンが撮影したと思われる東京ドームでのハニのパフォーマンスは、すでにYouTubeで680万回以上も再生されており、日韓両方の言葉で多くの賛辞が寄せられています」(同)
“レトロ感が特徴”
この現象が起きた理由について、ミュージシャンで音楽ライターの鳥居真道氏に聞くと、
「NewJeansの音楽は、90年代の英語圏のダンスミュージックの要素を取り入れるなど、センスの良いレトロ感が特徴です。今回の『青い珊瑚礁』のカバーについては、韓国だけでなく世界中で流行している日本の80年代のシティポップを意識したのかもしれません。これを作曲した故・小田裕一郎氏は、シティポップと遠からぬ人物だといえるからです」
その結果として、
「40年以上も昔の曲ではありましたが、シティポップ的な音楽表現に慣れ親しんでいる日韓両方の若い世代にとってなじみやすく、すんなりと受け入れられたのでしょう」(同)
“親日”批判は起こらず
在韓ジャーナリストの金敬哲氏によれば、
「一昔前は、K-POPグループが日本人ファンに対して日本語の歌を披露するなどのサービスを行うと、自国で“親日だ”と批判されたものです。しかし、今回はそのような批判は目立たず、むしろ、多くの韓国人がカバーと原曲の両方で『青い珊瑚礁』を楽しんでいます。今時の若い世代は日本を特別視しておらず、自然体でカルチャーを受け入れる土壌ができているのだと思います」
今年末の紅白では、聖子ちゃんとNewJeansの共演が見られるかもしれない。
「週刊新潮」2024年8月1日号 掲載
外部リンクデイリー新潮
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