今回は、お得で美味しい、ロイヤルホストの朝食バイキングをご紹介します(筆者撮影)
喫茶店やレストランが、朝の時間帯にドリンクやトーストなどのメニューを割安価格で提供するモーニングサービス。名古屋の喫茶店が始めた文化とされていますが、最近では大手外食チェーンも数多く提供しています。
そんなチェーン店の外食モーニングをこよなく愛するライター・ブロガー、大木奈ハル子さんがお届けする本連載。第87回となる今回、訪れたのは「ロイヤルホスト」です。
飲食チェーンがひそかにしのぎを削っているジャンル、それが「モーニング」です。集客の弱い時間帯である午前中の売り上げを強化すべく、朝の数時間だけ提供される限定メニューは、コスパ抜群かつ店の特色が強く表れ、どれも魅力にあふれています。
今回ご紹介するのはファミリーレストラン「ロイヤルホスト」のモーニングのなかでも、全国で6店舗のみしか実施していないという、レアな朝食ビュッフェモーニングをレポートします。
食べ放題・バイキング・ビュッフェなど名称はさまざまありますが、ズラリと並んだお料理から、自分の食べたいものを選んで、自分で盛り付けていくのは、通常の外食にはないイベントっぽさがあります。
出張続きでホテルステイに慣れた人にとっては特別ではないかもしれませんが、そうではない筆者にとってビュッフェは、大人になってもテーマパーク的なワクワクがあります。
目で見て楽しい、盛り付けて楽しい、食べておいしい、3拍子揃った朝食を楽しんでまいりました。
全国で6店舗のみロイヤルホストの朝食ビュッフェ
「ロイヤルホスト」の朝食ビュッフェ実施店舗は、新横浜駅ビル店、横浜駅前店、天神西通り店、八丁堀店、東新宿駅前店、仙台花京院店の全6店舗(2024年8月現在)です。実施価格や時間帯は店舗により異なるようです。
【画像25枚】「看板メニューの絶品パンケーキ」「ジャワ風カレーも超本格的!」…。ロイホ「1980円・朝食ビュッフェ」はこんな感じ
今回筆者が利用した店舗は、価格は中学生以上は税込1980円、小学生以下が税込1320円。実施時間は朝6時30分から10時までとなっていました。
朝食の時間帯はビュッフェのみの利用となり、レジで先に会計を済ませてからテーブルに案内されます。ファミリーレストランの朝食メニューを紹介する際の常套句に「まるでホテルのモーニングみたい」というものがありますが、今回利用した店舗は本当に上階にはホテルがあります。つまりは、朝食時はホテルのレストランとしての役割も果たしているのです。
ホテルモーニングとロイホのいいとこどりのメニュー
ホテルの朝食メニューを兼ねてということもあり、品数はなかなかのもの。洋食に加えて和食も取り扱いがあり、トッピングやドレッシングなどを含まずにざっくり数えても40品以上が並んでいました。
40品以上のメニューが並ぶ、充実のビュッフェ(筆者撮影)
洋食メニューは、ホテルのビュッフェの定番であるパンにシリアル、スクランブルエッグにベーコン、サラダにフルーツ、スープなどに加えて、「ロイヤルホスト」の看板メニューのパンケーキやジャワ風カレーもありました。パンケーキはミニサイズではあるものの、店内で1枚ずつ焼き上げています。
ドリンクブースも広々としています(筆者撮影)
和朝食も、焼き魚に納豆に明太子など、定番のおかずはしっかり網羅されていました。かまどご飯に鉄鍋みそ汁と見た目の演出もばっちりで、特別感を感じさせます。
朝食を食べ歩き、ビュッフェ慣れしている当方ですら心踊るのですから、インバウンドの利用客ならきっとなおさらでしょう。
もともと「ロイヤルホスト」は、ファミリーレストランのなかでも比較的、高価格帯のお店なのですが、朝食ビュッフェでもそのクオリティは健在でした。スタッフがこまめに行き来し、全てのメニューはお皿が空になるまえに補充がされており、荒れた印象のない清潔で行き届いた空間です。
ドリンクバーも充実しています。専用の冷蔵庫に並ぶガラス製のピッチャーは、他のファミレスのドリンクバーとは一線を画す特別感があります。パイナップルやオレンジ、グレープフルーツは生フルーツを使用。サラダの鮮度もよく、ヨーグルトもソースが混じって汚れていたりしません。
モーニングの定番メニューもロイヤルホストらしい一手間が加えられている(筆者撮影)
さらに嬉しいことに、しっかり焼き目のついたソーセージや、カリカリのベーコンなど、通常店舗の「ロイヤルホスト」のモーニングメニューと同じレシピが提供されていました。
パンブースにはロイヤルホストでお馴染みのミニサイズの山食パンも陳列されていました(筆者撮影)
「ロイヤルホスト」で、しっかりしたボリューミーなモーニングをドリンクバー付きで食べようとすると、軽く1,000円は超えてきます。通常店舗で提供されている朝限定メニュー「オニオングラタンスープ付きブランチプレート」にいたっては、ドリンクバーをつけたら税込1,771円です。
ホテルの朝食ビュッフェのような充実した内容と、「ロイヤルホスト」ならではの味わいのいいとこどりを楽しめる、こちらの朝食ビュッフェが1980円というのは、間違いなくお値打ちなのではないでしょうか。
パンケーキとジャワ風カレーを朝から食べる贅沢
お皿には「ロイヤルホスト」の看板メニューパンケーキとジャワ風カレーをメインにサーブ。パンケーキは1枚1枚お店で焼き上げています。小さめサイズではありますが、由緒正しき「ロイヤルホスト」の味がします。
筆者が盛り付けた朝食ビュッフェプレート(筆者撮影)
私はウォーマーで温めてあるものを選びましたが、焼き立てをオーダーすることもできます。
パンケーキにケーキシロップをたっぷりかけていただきました。サイドには生パインとピンクグレープフルーツを盛り付けています(筆者撮影)
ディッシャーですくったてんこもりのパンケーキホイップを乗せて、シロップをたっぷりかけていただきました。「ロイヤルホスト」の薄くてしっとりとしたパンケーキに、シャバシャバのシロップをたっぷりと染み込ませて食べれば、かむほどにジュワッと甘いシロップが口の中に広がります。
パンケーキの優しい味わいとケーキシロップ、ホイップバターのしょっぱさが三位一体となり、これぞ幸せの味。完成度の高いシンプルな昔ながらのおいしさを堪能できました。
ジャワ風カレーは、ご飯茶碗によそったごはんに乗せてカレー丼風に。他の外食チェーンとは一線を画す、どこのカレーとも似ていない個性的なルーは、まさしく唯一無二。テクスチャーはトロトロタイプで、味わいも濃厚。
バイキング定番のカレーですが、ビーフたっぷりのジャワ風カレーは別格(筆者撮影)
じっくり煮込んだルーにはたっぷりの牛肉がホロホロのくたくたにとろけています。噛むたびにビーフの旨みが口のなかに広がります。辛さは控えめでまろやかな食べやすい仕上がりなのですがスパイスが印象的で、洋風だけどエキゾチックな味わいです。
トッピングのフライドオニオンが、カリッとした食感をプラス。玉ねぎの甘味と揚げ物の香ばしさが、良きアクセントとなり、おいしさを底上げします。
全てがきちんとおいしい、ロイヤルホストクオリティー
モーニングの大定番スクランブルエッグとベーコンとソーセージにハッシュポテト。サラダやフルーツ、さらにオリジナルの洋風のおかずが2種類。ハムにチーズ、サバの切り身も添えました。
欲張りに盛り付けたおかずプレートは、バイキングならでは(筆者撮影)
嬉しいのがベーコンとソーセージ。どちらも通常店舗の朝メニューに出てくるものと同じように調理されています。カリカリに炒めて旨みが凝縮されたベーコンに、焦げ目がついた香ばしいソーセージ。
神は細部に宿るという言葉もありますが「こういう小さな手間がおいしさにつながるし、ちょっとお高くてもロイヤルホストについつい行っちゃう理由だったりするんだよなぁ」と、大きく頷きながら食べました。
洋風のおかずは、チキンとコーンのクリーム煮と、ミートボールのトマトソースの2種類。既存のメニューではないのですが、どちらもマッシュルームがたっぷり入って、具沢山でリッチな味わい。食べるとちゃんと「ロイヤルホスト」の味がします。
和風のおかずもサバや鮭、明太子、納豆などの定番ものの他に、オリジナルおかずが2種類あったのですが、こちらも出来合いではありませんでした。
ぷりぷり鶏もも肉がジューシーなチキンのクリーム煮。マッシュルームとコーンがたっぷり(筆者撮影)
「夏野菜と昆布の和え物」はおくら、えだまめ、パプリカが千切りの昆布で和えてあり、とろーりとした粘りのある食感と、さっぱりした味付けはご飯のお供にぴったりです。
「揚げ茄子とインゲンの和風生姜あんかけ」も、コクのある揚げ茄子を生姜風味でさっぱりと仕上げてあり、暑い夏にドンピシャの1品でした。
ドリンクバー・スープバーまでぬかりなし
ドリンクバーの1杯目に選んだのはパラダイスティー。ハーブの香りが爽やかな、トロピカルな味わいの紅茶で、初めて飲んだ時「こんなにおしゃれでおいしい飲み物があるのか」と驚きました。
香りが良く、爽やかな飲み口のパラダイスティーは、ロイヤルホストモーニングの密かなお目当て(筆者撮影)
スーパーやコンビニでも取り扱っている店舗が少なく滅多にお目にかかれないのですが、「ロイヤルホスト」と「シズラー」というロイヤルグループが運営する2チェーンでは常備されているのは嬉しい限り。
そして、ドリンクバーにズラリと揃うティーバッグはティーアース。これはスーパーなどでは市販されていないのですが、私が普段飲んでいるティーバッグよりも1ランク上のおいしさ。
シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルのラウンジや、品川プリンスホテルのビュッフェでも取り扱いがあるのですが、かわいいパステルカラーのティーバッグが並ぶドリンクブースに遭遇するたびに「やったー! ティーアースのティーバッグだ」と小躍りします。
ほろ苦さがおいしい、ロイヤルホストのホットコーヒー(筆者撮影)
ホットコーヒーは、コーヒーメーカーでセルフで淹れるのですが、苦味の強い濃いめのコーヒーを飲むと「ああこれこれ。昔からロイヤルホストのコーヒーは濃いんだよねぇ」と、求めている味にホッとします。
スープはコーンスープをチョイス。ほかに野菜スープとみそ汁が選べます。唯一残念なのは、筆者が「ロイヤルホストの三大看板メニュー」だと思っている、オニオングラタンスープがなかったことですが、それがなくとも、お値段以上の満足度を感じさせてくれる朝食ビュッフェでした。
前述しましたが今回利用した店舗は、ホテル併設の宿泊客の朝食用レストランも兼ねている店舗でした。
入店してからレジで会計したのは筆者のみ。店内にいる15人ほどの利用客は全員が上階にあるホテルの宿泊者のようで、朝食券をスタッフに渡していました。
15人ほどの利用者の半分はサラリーマン風の男性で、もう半分はインバウンドで観光に来た海外の旅行者のようでした。
カーペット敷きのフロアに、大きめサイズのテーブル、ふかふかの背もたれのついたボックスシートで自分でサーブして食べたいものを食べる。なんて贅沢で幸せな朝食なのでしょう。
【その他の画像も多数】「看板メニューの絶品パンケーキ」「ジャワ風カレーも超本格的!」…。ロイホ「1980円・朝食ビュッフェ」はこんな感じ
安さをウリにしたバイキングは往々にして、ご飯がこぼれていたり、サーブするためのカトラリーにおかずがこびりついていたり、生野菜がカピカピだったり、大皿がからっぽになっていたりするもの。「ロイヤルホスト」のモーニングには、そういった部分が一切なく、隅々まで「ロイヤルホスト」の美学が貫かれていました。
日本に6店舗なんて少なすぎます。「どうか最寄りのロイヤルホストで、朝食ビュッフェが実施されますように」と、強く念じる朝です。
あわせて読みたい:銀座木村家「日本一高いモーニング」にひれ伏す朝
デパ地下でおなじみの店の味を、銀座で味わえる
その他の写真はこちら
(筆者撮影)
(筆者撮影)
ロイヤルホストでは、冷たいドリンクはピッチャーに入っています(筆者撮影)
パンケーキに染み込んだシロップが、噛むとジュワーっと口の中に広がります(筆者撮影)
一手間かけた、こんがり焦げ目つきのソーセージ(筆者撮影)
和風おかずもオリジナルメニューが用意されていて、細部までぬかりなし(筆者撮影)
パステルカラーがかわいいティーアースのティーバッグ。あなどれないおいしさ(筆者撮影)
和朝食ブース。定番はしっかりおさえつつ、オリジナルおかずもスタンバイ(筆者撮影)
グラノーラ、フルーツ、ヨーグルトなどのブース(筆者撮影)
洋食のオリジナルおかず2種。チキンとコーンのクリーム煮と、ミートボールのトマトソース(筆者撮影)
ウォーマーにぎっしりと並んだパンケーキからは甘い香り(筆者撮影)
サラダブース。野菜は新鮮で、スタッフがこまめに補充をしていました(筆者撮影)
編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。
画像をクリックすると本連載の過去記事にジャンプします
(大木奈 ハル子 : ブロガー・ライター)