「暗くなるまえに地元に戻ろうと思い、早めに帰路についていました。17時ごろに高速道路を運転していたのですが、GWだったので交通量が多く、二車線とも時速30〜40キロくらいでダラダラ走るという状態でした」

 影山さんだけでなく、ほかの車も“GWだし仕方ない”と割り切っているのか、過度に車線変更をするような車もなかった。平和な感じで車は流れていたそうだ。

「そんなときに、“あおり運転車”があらわれました。バックミラーで後方を確認すると、むやみやたらに車線変更しまくる車がいたんです。『この状態で、そんなことしても仕方ないのになー』なんて思っていると、その車は、私の車のすぐ後ろにまできていました」

「どけ!」と言わんばかりにプレッシャーをかけてきたという。しかし、影山さんの前方には車の列があり、加速することなんてできなかったと話す。“ピッタリつけられてもどうしようもない……”とそのまま走行していると、クラクションを鳴らされたとのこと。

◆あおり運転の車を回避したのだが…

「周囲の車が気を利かせてくれて、走行車線へ車線変更できるようにスペースをあけてくれました。おかげで、私は走行車線へと移動して、あおり運転から逃れたのですが……」

 あおり運転の暴走は止まらなかったそうだ。今度は、影山さんの前の車にピッタリとはりつき、あおり運転をはじめた。影山さんのときと同様に、周りの車が協力し、視界からあおり運転車が消えようとしていた。そして……。

「あおり運転車が去ったかと安心したのも束の間、急に追い越し車線の列が動かなくなりました。『もしかして、あおり運転車がやらかしたか?』と思ったら、ドンピシャでした」

 どうやら、あおり運転車が追突事故を起こしていたようだ。影山さんは、「状況から察するに、前走車がなかなか道を譲ろうとしなかったのでしょう」と推測した。

「幸いなことに、バンパーがへこんだ程度の被害ですんでいました。ただし、この場合、過失の割合は10対0であおり運転側にあるでしょうね」

 影山さんは、あおり運転の車に対して「ざまぁ! スカッとしましたよ」と締めくくった。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。