米カリフォルニア州のビーチで先月23日、大きなアシカが海水浴客に襲いかかろうとする瞬間が撮影された。今の時期のアシカは繁殖期を迎えており、近くには複数のアシカの子どもの姿があった。人々はその子どもに近づきすぎてしまったようで、成体のアシカが威嚇体勢に入り、群衆に向かって突っ込んでいた。この動画がネット上で拡散されると、「わざわざアシカたちの近くで泳ぐ人の気が知れない」といった声があがっている。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。
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話題の動画は先月23日、米カリフォルニア州サンディエゴにある海沿いの観光スポット「ラ・ホヤ・コーヴ」で撮影された。撮影者のローレン・バートランドさん(Lauren Bertrand)は、入り江より少し高い、手すりが設置された場所からカメラのレンズを向けている。
その動画には、水の中を移動し、浅瀬に着いて水面から出てきた1頭の大きなアシカの姿が確認できる。アシカはヒレを使って浜辺の方に上がってくると、近くにいた人々に向けて大きく口を開き、威嚇するような行動を見せた。アシカの視線の先にいた女性が、立ち上がって急いで逃げる様子も捉えられている。
そして場面が切り替わると、大勢の海水浴客が映っており、その群衆に向かってアシカが突進していく様子が見られた。アシカは人々にぶつかる寸前で止まっており、攻撃せずに威嚇するつもりだったようだが、アシカに目と鼻の先にまで迫られた女性が浅瀬で尻もちをついていた。
ラ・ホヤ・コーヴの近くにある岩場「ポイント・ラ・ホーヤ」は、アシカの繁殖期である5月初旬から10月下旬に、多くのアシカの親子の姿が観察できる。今回の動画にも、海から出てきたアシカの後ろに岩場があり、そこに小さなアシカの姿が映っている。アシカたちは子育てシーズンになると岩場で子育てをするため、この時期のポイント・ラ・ホーヤへの立ち入りは禁止となっていた。
しかしラ・ホヤ・コーヴは人気のビーチであり、大勢の海水浴客によって、アシカの生活を脅かすのではないかと地元住民や活動家らが懸念していた。実際に2022年7月には、アシカ2頭が海水浴客に突進したケースが発生している。
ウェブサイトや海水浴場には、「アシカの出産シーズンに、成体や子どもが人間と接触すると、成体のアシカが攻撃的になり、子どものアシカがケガをしたり育児放棄されてしまうことがあります。これは人間や野生動物にとって危険なだけでなく、これらの動物を保護するための海洋哺乳類保護法に違反する可能性もあります」と注意が促されている。
それでも海水浴客がアシカに近づくケースは後を絶たないようで、地元住民からの苦情が増えた。これを受け、サンディエゴ市議会は昨年9月、ポイント・ラ・ホーヤを通年立ち入り禁止とした。
今回のアシカから逃げ惑う人々の様子を捉えた動画には、「アシカたちの住処なんだから、放っておいてあげなよ」「ここに行くと、いつもアシカをからかって遊んでいる人がいて悲しくなる」「恐らく我が子を守ろうとしたんだろうね」「この出来事から学んでくれるといいんだけど」「自然や野生動物にもっと敬意を払うべきだよ」「わざわざアシカたちの近くで泳ぐ人の気が知れない」といった声が寄せられた。
画像は『New York Post 「Angry sea lion charges at beachgoers on popular California beach: ‘Get out of the water’」(Lauren Bertrand via Storyful)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)
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