[画像] 「モスバーガー」2度目の中国撤退…「ハンバーガーを日本企業が中国で手がける難しさ」で定着できず

 【上海=山下福太郎】ハンバーガー店「モスバーガー」を展開するモスフードサービスが、中国事業から撤退したことがわかった。上海市や福建省、江蘇省にある「モスバーガー」の6店舗を6月末までに閉店した。マクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンなど米外食大手との競争が激しく、業績が悪化していた。

 6月24日の取締役会で中国事業の撤退を決議し、台湾企業などとの合弁で設立した現地法人は清算手続きに入った。モスフードサービスは、2010年に沿岸部・福建省厦門市に1号店をオープンし、ピーク時の15年には24店舗を構えた。上海市内だけで100店舗の出店を目指し、店舗網を拡大させる方針だった。

 だが、「ハンバーガーという食材を日本企業が中国で手がけるという難しさ」(広報)があり、現地に定着できなかった。モスフードサービスは1994年にも中国に出店し、97年に撤退した経緯がある。

 モスフードサービスは、撤退した中国を含むアジア・オセアニアの八つの国・地域に約450店を出店していた。今後は店舗数の多い国・地域に経営資源を集中させる方針とみられる。