煌々と光る角を携えたトナカイの写真が、ネット上で注目を集めている。フィンランドでは運転中にトナカイと接触する事故が多く、多数のトナカイが犠牲となっている。この対策として、光が反射する塗料を角に塗る対策が施された。まるで角が発光しているかのように見える写真には、「夜中に会ったらちょっと怖いかも」といった声が寄せられている。英ニュースメディア『The Mirror』などが伝えた。
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話題のトナカイの写真は、Xで現地時間15日に投稿され、瞬く間に拡散された。辺りが暗闇に包まれる中、トナカイの立派な角が眩しいくらいに輝いている。角自体が光を放っているように見えるが、実は角に反射塗料が塗られており、外部から光を当てると反射して角が発光しているかのように見えるのだ。
この写真が撮影されたフィンランドでは、野生のトナカイが多数生息している。そんなフィンランドでは、夜道を走行する車とトナカイの接触事故が絶えず、年間約4000頭のトナカイが犠牲になり、1500万ユーロ(約25億円)もの損害が出ていた。
そこでフィンランドのトナカイ飼育協会「Reindeer Herder’s Association」が対策を考えた結果、角に反射塗料を塗ることを思いついたという。
2014年に開始したこの対策案について、同協会の代表者アン・オーリラさん(Anne Ollila)は「目的は交通事故を防ぐことです。毛皮に反射塗料を塗ってテストも行っていますが、角はどの角度からも見えるので、より効果的なようです」と説明した。
しかし、トナカイたちは光る角が気に入らなかったのか、角をこすりつけたりして反射塗料を落とすようになった。アンさんは「自分の角に何かが塗られていることに気付いたようです。仲間たちから笑われてしまったのかもしれないですね」と、冗談を交えながら振り返った。
同協会は反射塗料以外にも、反射板をトナカイの首に下げたり、可動式の道路標識を設置する対策も試した。だが、対策を開始してから2年が経過した2016年までに、トナカイの犠牲数に大きな変化はなかったという。
アンさんは「ドライバーは車道のそばで光る反射板を見ても、それを人だと勘違いして、『道路に飛び出してくることはないだろう』と思い込んでしまうようです。また、トナカイたちが首から下げた反射板を引きちぎってしまうこともありました」と明かす。道路標識に至っては、珍しいという理由で観光客に盗まれてしまうこともあったそうだ。
なかなか事故が減らなかったが、2016年後半には新たな対策として、トナカイの居場所を追跡するアプリが配信された。これによりトナカイ発見のログを残せるようになり、トナカイの目撃があった場所へ近づくと、ユーザーに警告が発せられるという。反射塗料よりもこのアプリの効果は大きく、トナカイとの接触事故の数は減少した。
トナカイの角に反射塗料を塗ることは、直接的な効果がなかったものの、大きく話題になったことで「関心を集め、トナカイの問題を知ってもらうことができました」とアンさんはコメントした。
昔話に出てきそうな、神々しい姿のトナカイの姿を見た人々からは、「このアイディアを思いついた人にトロフィーをあげたい」「倒したら経験値がもらえそう」「ファンタジー映画に出てきそうだ」「夜中に出会ったら、さすがにちょっと怖いかも」といった声が寄せられている。
ちなみに2020年8月にはタイで、感染症治療のためにターメリックを塗った結果、体毛が黄色に染まってピカチュウのようになった猫が注目を集めていた。
画像は『Hasan Jasim 「Finland Is Covering Reindeer Antlers With Reflective Paint To Prevent Auto Accidents」(Photo: Reindeer Herder’s Association)』『Nature is Amazing X「Today I learned that in Finland they use to have about 4,000 reindeer/ car accidents a year」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)
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