[画像] 磯村勇斗、玄理らの声で浮かび上がる村上春樹ワールド! 『めくらやなぎと眠る女』日本語版特別映像公開

 村上春樹の作品を初めてアニメ映画化したピエール・フォルデス監督作『めくらやなぎと眠る女』より、磯村勇斗、玄理、塚本晋也、古舘寛治らの声でマジカルな村上春樹ワールドが浮かび上がる日本語版特別映像が解禁された。

【動画】監督も“悲願”! 映画『めくらやなぎと眠る女』日本語版特別映像

 本作は、音楽家でアニメーション作家のピエール・フォルデスが、村上春樹の6つの短編(「かえるくん、東京を救う」「バースデイ・ガール」「かいつぶり」「ねじまき鳥と火曜日の女たち」「UFOが釧路に降りる」「めくらやなぎと、眠る女」)を翻案した長編アニメーション。村上作品がアニメーション映画化されるのは本作が初となる。

 このたび、磯村勇斗、玄理、塚本晋也、古舘寛治らが参加した【日本語版】の特別映像が解禁された。オリジナル版とも感触の違う、フォルデス監督も“悲願“の日本語版からの映像となる。

 とある大震災から数日後。ある夫婦・小村(磯村)とキョウコ(玄理)の間には、決定的な亀裂が生まれていた。一言も発さずニュース報道を見つめ続けるキョウコ、そんな妻に戸惑う小村。そしてキョウコは「あなたとの生活は空気の塊と暮らすみたい」と手紙を残し、小村のもとを去る。

 時同じくして、小村の勤める信託銀行の同僚・片桐(塚本)は、融資を焦げ付かせそうになり上司から突き上げを食らっている。暗い気持ちで家の扉を開けるとそこにいたのは…巨大な「かえるくん」だった。

 かえるくん(古舘)は、さらに大きな地震が来ることを片桐に告げ、その原因である「みみずくん」とともに戦ってほしいと頼む。「私は平凡な人間なんだ。私を愛してくれる人は誰もいない。なんで生きているのか自分でもわからない。そんな私のような人間が、東京を救える訳がない」と改めて自分を見つめ直し、涙する片桐。

 キョウコは20歳の誕生日のことを思い出していた。体調が急変したバイト先の店長から、店と同じビルに住むオーナーにディナーを届けてほしいと頼まれる。初めて出会ったオーナーはキョウコを部屋に招き入れ、「20歳になるこの特別な日に君は偶然温かい食事を運んだ。だから君にプレゼントをあげたい。特別な日だからこその特別な贈り物だ」という。

 キョウコが去った後、小村は同僚の佐々木から、旅行がてら小箱を北海道の妹のもとに届けてほしいと頼まれる。佐々木の妹に小箱を届けた小村は、妹の友人・シマオとラブホテルで過ごすことになる。

 過去に囚われていた人々、自身が行き詰まっていたことすら気づいていなかった人々が、遠い記憶や夢をさまよいながら次第に自分と向き合い、緩やかに解放されていく。オーナーを演じた柄本明の「願いはあるかい? お嬢ちゃん」という声が、夢とも現ともつかない、しかし不思議な説得力を持って響く。

 今回の日本語版制作においては、深田晃司監督が演出を務め、来日したフォルデス監督も全収録に立ち会い監修した。元々音楽家としてキャリアをスタートしたフォルデス監督は、日本語はわからないものの、音程や強弱に敏感で、セリフを音楽のように捉え監修を行っていた。

 キャストも映像のキャラクターの動きに合わせて演技し、それをマイクで追いかけるというスタイルで収録されたため、ウィスパーボイスも印象的に使用されている。英語と日本語では抑揚や響きも違うことから、絵の口とセリフを合わせる作業や全体の音のトーンの調整など非常に繊細な作業が行われた上で、今回の日本語版は完成した。

 “マジック・リアリズム“とも評される村上春樹の世界観を、アニメーションならではの自由な感性で描いた映像。英語(日本語字幕付き)の【オリジナル版】と【日本語版】の2バージョンでの公開となるため、それぞれの音の響きの違いにもぜひ注目してほしい。

 アニメ映画『めくらやなぎと眠る女』は、7月26日より全国公開。