――わりと今までの曲は、元気のいい、力強いイメージが強かったのですが、今回は少し肩の力が抜けて、人間の優しさや弱い部分などを感じました。歌う時に何か心掛けたことはありますか?

高橋:歌い終えて、もっと声の表情に貪欲になってきました。女の子週間がレコーディングの時にイメージを付けやすくて、生かされてたんですよ、気持ちの中で。そんな些細なことだけど、出てくる声の柔らかさが全然違うと自分の中で思ったので。声の表情がもっと欲しいと、今すごく思ってます。

――それはどうすれば身に付くものだと思いますか?

高橋:自分でも何をしたらいい、という具体的なことは分からないので。でも今は色んな物を見て、色んな話を聞いて。きっと声の表情が欲しいから、やる訳じゃなくて、全部に繋がると思うんですけど。今はすごく色んな物が見たくてしょうがない。

――今年3月に発売されたアルバム「sympathy」の中に「大人」という言葉が何度か出てきて、その頃はまだ16歳でしたが、「大人になりたいけど、なりたくない」というようなことを言われてましたよね。あれからまた少し時間が経って、変わってきた部分なのかも知れませんね。

高橋:最近はあまり思わなくなりました、どうなりたいとか。むしろ、「早く前に行きたい」と思うようになったり。でも、自分が焦っていて嫌だなと思うと、「まだ行きたくないよ」って。「今のままがいいよ」と思ったり。本当に色んな感情が日々ありますね。

――大人、子供というよりは、人として成長していきたいという。

高橋:そうですね。あまりこだわらなくなりました。色んな話を聞いてると、本当は大人っていないじゃん、と思ったり。どこが大人でどこが子供でという境界線みたいな物は、いつになっても分からないだろうなって。探すことは止めたくないけど、そこにすごく執着することもないんじゃないかな、と思って。

――カップリングの「DRIVE」は、濃いーメンバーですね。

高橋:スペシャルバンドで。

――レコーディングの現場には?

高橋:行きました。メチャクチャ楽しかったですよ。歌って、「ワァー!」ってなって(笑)。すっごく楽しかったです。

――デビュー曲のシンセサイザー主体のデジタルな音の感じから、アルバム以降は特にアナログなロックな方向に向かっていって、きっと本人もそういう音が好きなのかなと思ったんですけど、どうですか?

高橋:好きですね。歌っていて本当に気持ちがいい。もっとこれから色んな言葉を知って、色んなことを言えるようになりたいとすごく思うんですけど、今持っている言葉だけでも、音に乗せて自分で「ワァー!」って言うだけで、それが自分なんですよね。だから絶対やめられない、やめたくないなって、すごく思う。