【AFP=時事】パキスタンで20日、イスラム教の聖典コーラン(Koran)を燃やした疑いを掛けられた男性が、保護されていた警察署から群衆に引きずりだされ、撲殺されて遺体を焼かれた。当局が明らかにした。

 スワート(Swat)の警察関係者はAFP対しに「20日夜、マディアン(Madian)地区の住民が、コーランを燃やしたと主張して男性を拘束した。警察が介入し、男性を救出して地元の警察署に連れて行った」と話した。男性はよそ者だったという。

 だが、モスクにあおられた群衆は警察署前に集まり、建物に向かって石を投げた。

 警察関係者は「警察は群衆を解散させようと空に向かって威嚇射撃をしたが、さらにあおる結果となった。群衆は警察を圧倒し、男性を引きずり出して棒で殴り殺した」と述べた。

 その後、男性の遺体は燃料をかけられ火を付けられたという。

 地元当局者は事件があったことを認め、「群衆の怒りは男性を殺害した後も収まらず、投石を再開したため、警察はやむを得ず署を放棄した」と語った。

 現地では地元民が主要道路を封鎖しており、今も緊張が続いている。

【翻訳編集】AFPBB News

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