井上咲楽さんが先日、オズワルド畠中悠さんとの2年半の交際に終止符を打ったとSNSで発表した。12歳差という年の差カップルながら、二人とも明るく素朴そうなキャラでお似合いだと好感度は高かった。畠中さんは初期の腎臓がんと診断され、2月末に摘出手術を受けたばかり。井上さんが今月14日に投稿した動画内でも「畠中さんの自宅にいる」と明かされていただけに、急な展開に驚きの声も上がっている。

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 片や期待のバラエティータレント、片や2021年M-1グランプリ準優勝の実力派お笑い芸人。忙しい合間を縫って愛を育んでいたようだが、2年半の間に何度か別れたこともあるという。畠中さんにとっては人生初の恋人であり、「本当に素敵な方でした」「結婚したい気持ちはありました」と、出演したラジオでコメント。相方の伊藤俊介さんも交際中の蛙亭のイワクラさんと一度破局して復縁しているが、コンビ内で明暗が分かれてしまった形だ。

井上咲楽

 そもそも離婚ならまだしも、独身タレントが破局報告をすること自体が珍しい。井上さんも「わざわざ報告するのもどうかなと思いましたが、本日も(番組の)収録がある中でうそをつくことが心苦しく、こちらで発表させていただきます」「付き合って別れた、ただこれだけで大袈裟にすみません!」と、どう振る舞えばいいものか迷いがあることもうかがえる。

 それでも、発表があってひとつ分かったことがある。離婚や破局がニュースになるのは人気者の証し。寄せられたコメントも、二人を応援する内容のものが多かった。

ブレイク間近の人気芸人と交際することで得られる最大のメリットは「美人なのに気取ってない」という好感度

 井上さんは「週刊誌で撮られた後、バラエティ番組で交際について聞いていただくことが多く、こんなにも話題になるとは思っていませんでした」と投稿し、畠中さんとの交際によって注目度が上がることにうれしさだけでなく戸惑いも感じていたようである。しかし、数年前までは太眉で昆虫を食べ、大はしゃぎする不思議ちゃんという「イロモノ」枠だった井上さん。畠中さんとの交際と破局を経て、ついに全国区の人気タレントという席にあと一歩のところまできたのではないだろうか。

 井上さんに限らず、名前の売れ始めた女性タレントが、芸人との交際によって確たる地位を築くケースは多い。井上さんが憧れの人として名前を挙げている田中みな実さんも、オリエンタルラジオ・藤森慎吾さんとの交際を明かしバラエティーで重宝されるように。別れた後も名前は出さないものの、藤森さんと思わせるような相手との恋バナの数々はネットニュースを騒がせていた。

 女性タレントの最初のスキャンダルは、その後の好感度を大きく左右する。あざといキャラで大御所にこびを売る田中さんが、本当に大御所や有名俳優との交際が明らかになったら相当バッシングされていたことだろう。藤森さんももちろん「チャラ男」キャラとして人気はあったが、コンビとしてのレギュラー枠は激減していた。

 女子アナといえば、交際相手の定番は社長か有名芸能人。でも、田中さんほどの美人で飛ぶ鳥を落とす勢いの若き女子アナが、不遇な芸人と交際しているという報道は、「美人なのに気取ってない」と世間にイメージ付けたに違いない。

 同様の形で株を上げたタレントといえば、FUJIWARAの藤本敏史さんと結婚した頃の木下優樹菜さんを思い出した。木下さんはすでにおバカキャラとしてブレイクを果たしていたが、直前まで交際がうわさされていたのは同世代のイケメンタレントだった。けれども結婚相手に選んだのは、お世辞にも美男とは言えない17歳上の芸人。「元ヤンは情が深い」といった印象も相まって、「意外としっかりした子なのかも」と思い直した人は多かったに違いない。当時、婚活事業を運営するIBJが実施したアンケートでは「いい夫婦だと思う有名人」1位に輝くほどの人気だった。

 MCを務めるほどではないが、バラエティーではよく見る、盛り上げ上手な芸人。そういう男性との交際は、ブレイク間近の女性にとってメリットが大きい。お金や容姿に惑わされず、人となりで恋人を選ぶ堅実な人という評価につながるからだ。しかし同時に、デメリットもある。それは女性の人気があればあるほど、芸人たちもトークのネタにするということだろう。

円満結婚が続いているミキティ夫婦は異例 吉本芸人に連綿と受け継がれる「俺の嫁・俺の彼女」ネタとして消費されるリスク

 離婚するまで藤本さんは積極的に「ユッキーナ」を口にしていたように思うが、庄司智春さんという「ミキティー!」の成功例があったからだろう。藤森さんも田中さんと別れてからずいぶんたっても、爆笑問題の太田さんなどに「みな実」ネタでいじられていた。陣内智則さんなんて、新しい恋人ができても「紀香」ネタを振られていた記憶がある。女性が有名であればあるほど、イジられる頻度は高くなるようだ。

 平場のトークで鉄板ネタがある芸人は強い。使えるものは、親だろうと彼女だろうと使う。プライベートだからと出し惜しみする奴はダメな奴。そうした芸人たちの不文律は、必要以上に話を「盛る」流れにもつながっていく。畠中さんと井上さんの破局は「3回」といわれているが、これも畠中さんが「盛って」話しているといううわさも。交際女性たちにとってみれば、彼氏の苦労や野心は理解しつつも、面白おかしくプライベートが脚色されることには抵抗を感じる時もあるだろう。場合によっては、いわれのない「鬼嫁」扱いをされる恐れもある。それはイメージ商売である自分のタレント活動に、影を落とすリスクをはらんでいる。

 井上さんたちの破局理由は本人たちにしか分からないし、世間につまびらかにする必要もない。畠中さんは井上さんをおとしめるようなトークはしなかったが、本人はしなくても先輩や共演者からの「イジリ」は避けられないこともある。井上さんはTBSの「オールスター感謝祭」のミニマラソンでの大健闘に続き、3月は東京マラソンで自己ベストをマーク。「ひるおび」「新婚さんいらっしゃい!」レギュラーなど、全国区の顔となり始めていた。「ミキティ」や「みな実」いじり同様、「サクラー!」と絶叫されざるを得ない状況が訪れるような「虫の知らせ」が井上さんにはあったのかもしれない。

 改めてミキティってすごいな、と思うばかりだが、井上さんもミキティに肩を並べるバラドルになるべく頑張ってほしい。昆虫食片手に、「蝶のように舞い、蜂のように刺す」活躍をこれからも期待しています。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部