◆サクラのメンバーをスカウトした結果…

 そして5号機が増えるに従って店長はサクラの回数を増やしていった。村木さんはさらにメンバーをスカウト。メンバーが増えるに従って村木さんの取りまとめ料も増え、毎月20万円近くのカネが入るようになった。

「毎月20万、何にもしなくても入ってくるからウハウハで、そうなるといろいろやっちゃうワケ。最初は生活費の足しになればって始めたんだけど、所詮はあぶく銭だからボートとか競馬も派手にやったね。サクラやるメンバーにC子ちゃんてコがいたんだけど、家族がいるのにそのコともデキちゃってね……」

 では、肝心の本業であるバーの経営はどうだったんだろうか。

「飲みに来るのがほぼサクラのメンバーで、毎晩みんな飲むからバーはバーでむちゃくちゃ儲かったんだ。だから、この頃、すげぇカネがあった。女もいるし、カネもあるし、その代わり家庭は崩壊しちゃった(苦笑)。子供のために始めたのにね……」

 家庭は崩壊してしまったが、“楽しい日々”を過ごしていたと話す村木さん。しかし、そんな生活はもちろん長くは続かなかった。村木さんの人生は、ここからさらに大きく変わっていくことになる。

取材・文/谷本ススム

【谷本ススム】
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター