「女子ゴルフ・ブリヂストン・レディース・最終日」(19日、袖ケ浦CC袖ケ浦C=パー72)

 1打差の2位から出た竹田麗央(21)=ヤマエグループHD=が6バーディー、2ボギーの68で回り、通算14アンダーで逆転優勝を果たした。4月のフジサンケイ・レディース以来の今季3勝目で、4日間大会は自身初制覇。メルセデス・ランキング首位の座を、わずか1週で奪還した。2打差の2位に河本結と、前年覇者の山下美夢有。今季から米女子ツアーに本格参戦する吉田優利は15位だった。

 今の竹田に死角はほとんど見当たらない。飛ばしてコントロール抜群のパワーフェードに、課題だったアプローチ、パターの小技も昨年までに比べて劇的に改善した。これで今季12戦3勝。初優勝の壁に何度も泣かされてきたのは過去の話で、初の4日間大会制覇に貫禄すら漂わせた。

 「プレー中は自分に集中できて良かった。自信を持って毎試合できているのが大きい」

 1番から10ヤードをチップインバーディーの幸先良い出だし。3番まで3連続バーディーとエンジン全開だった。5番では10メートルのロングパットを沈め、前半は5バーディーの猛攻。同組の河本、山下をあっという間に置き去りにし、2位と4打差で迎えた後半は、大きなリードを存分に生かして逃げ切った。

 いずれは米女子ツアーへ−、という思いはツアー初優勝を果たした時から変わらない。同ツアーの先駆者も海外挑戦には太鼓判を押す。ブリヂストン・アスリート・アンバサダーで大会に来場していた元世界ランク1位の宮里藍さんは「(海外は)行きたいときに行ける。本人のタイミングだけだと思う」と話す。同じく最終組で回り、2020〜21年途中まで米国を主戦場とした河本にも「“女版”河本力というか、見ていて楽しかった」と飛ばし屋の弟になぞらえて、舌を巻いた。

 次なる目標は偉大な叔母に並ぶ4勝目。元賞金女王・平瀬真由美の年間最多勝利数は1994年の4勝で、竹田は「超えたい」とさらなる勝利に貪欲な姿勢を見せる。初の海外メジャー挑戦となる全米女子オープン(30日開幕、米ペンシルベニア州ランカスターCC)にも弾みをつけ、世界に名をとどろかせる準備は整った。