[画像] 銀河系にはエイリアンの巨大構造物が星を包み込む「ダイソン球」の候補が7つあるとの研究結果



人類は地球上にソーラーパネルを敷き詰める太陽光発電で太陽からエネルギーを得ていますが、より高度な文明は直接星をおおうダイソン球で星が放つエネルギーを余すことなく収集しようとするかもしれません。そんな異星人の巨大構造物を探す地球外知的生命体探査(SETI)計画「プロジェクト・ヘパイストス」により、人類が住む天の川銀河にダイソン球以外では説明が難しい天文現象が7つ特定されたことが報告されました。

Project Hephaistos - II. Dyson sphere candidates from Gaia DR3, 2MASS, and WISE | Monthly Notices of the Royal Astronomical Society | Oxford Academic

https://academic.oup.com/mnras/article/531/1/695/7665761

Alien 'Dyson sphere' megastructures could surround at least 7 stars in our galaxy, new studies suggest | Live Science

https://www.livescience.com/space/astronomy/alien-dyson-sphere-megastructures-could-surround-at-least-7-stars-in-our-galaxy-new-studies-suggest

Astronomers are on the Hunt for Dyson Spheres - Universe Today

https://www.universetoday.com/166921/astronomers-are-on-the-hunt-for-dyson-spheres/

人類は過去半世紀以上にわたり宇宙を観測して異星人からのメッセージを探していますが、これまでのところ信頼に足る結果は得られていません。天文学者の中には、人類が地球外文明と接触できないのはそれが存在しないからではなく、単に地球に知的生命体がいるとは思われていないからという説や、太陽系にわざわざ訪問するほど価値があると思われていないからという説を提唱する人もいます。

そこで、高度な文明を持つ異星人が向こうからメッセージを送ってきてくれるのを待つのではなく、そのような文明が建造するダイソン球をこちらから見つけようとするスウェーデン発のSETI計画が、プロジェクト・ヘパイストスです。



by Kevin Gill

ダイソン球のような驚異的なテクノロジーが実在するのかどうかはさておき、存在するのであればダイソン球からは膨大な余剰エネルギーから生じる廃熱が発せられるはずです。

今回、プロジェクトリーダーであるウプサラ大学のエリック・ザクリソン氏らの研究チームは、広視野赤外線探査機(WISE)を含むさまざまな観測プロジェクトのデータを分析して、銀河系の星500万個以上から過剰に放射される赤外線を探しました。

これにより368個の天体が特定されましたが、そのうち328個は複数の赤外線源が混ざったものとして除外されたほか、29個がイレギュラーとして排除され、4個は星雲であるとして否定されました。



疑わしいデータを取り除いた結果、研究チームはダイソン球の候補となる7個の天体を特定しました。見つかった星はすべて太陽より小さく光度も低いM型矮星で、いずれも地球から1000光年以内と、宇宙の広さから考えると隣近所ともいえる距離に位置しています。

今回見つかった候補が間違いなくダイソン球とは限らず、例えば主星の近くを周回する過熱された小惑星や天体の破片などの可能性が完全には排除されていませんが、M型矮星の周囲に破片円盤が形成されることは非常にまれなことなどから、研究チームは「観測された赤外線の過剰放射を何らかの天体物理現象で説明することは容易ではありません」と論文に記しています。

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• Discord | "宇宙にダイソン球のような宇宙人の構造物はあると思う?" | GIGAZINE(ギガジン)

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