その後のMCでは向井や小島が座長・武元に対する労いの言葉を口にする場面もあり、最後は向井が「このメンバーみんなで助け合ったライブでもあるんですけど、会場ではBuddiesの皆さんにも助けられています」と客席に向けて感謝の言葉を送った。そして、着替えを済ませたメンバーが次々にダンストラックで個性豊かなパフォーマンスを見せると、齋藤冬優花がセンターを務める「Cool」からライブ終盤戦に突入。この曲の中盤では、齋藤が花道中央で豪快なソロダンスを披露し、会場を大いに沸かす。

続く「隙間風よ」ではセンターの遠藤光莉が唯一無二の表現で観る者すべてを圧倒し、「Dead end」ではセンターの小田倉が玉座に座って登場し、女王のような風格で会場の空気を掌握。
サビに入る前の彼女の叫びで客席の熱量はさらに高まり、ライブは真のクライマックスへと近づいていく。さらに、会場がクラップで一体感を高める中、村山美羽が「Buddiesの本気、こんなもんですか?」と煽りながら「マンホールの蓋の上」へと傾れ込む。客席から一際大きなコールが湧き起こる中、センターに立つ村山はしなやかさと豪快さが混在するダンスでその盛り上がりをさらに加速させる。

本編最後の曲に入る前に、武元は「この曲と出会ったあの瞬間から今日まで、歌詞や振り付けや音、自分でも思い出せないほど数えきれない感情をこの曲は教えてくれました」と挨拶。そして、「今日はその集大成として披露したい。皆さんの声で彩っていただけたら……私たちも全力でお届けします!」と告げると、「油を注せ!」で全身全霊のパフォーマンスを届け、最高潮を迎えたところでライブ本編を締め括った。

アンコールはラウドなビートに導かれ「魂のLiar」から開始。メンバーの力強い歌声とBuddiesのクラップが、再び会場の熱量を急上昇させていく。続くMCでは大沼、齋藤が今回の『BACKS LIVE!!』とどれだけ真剣に向き合ったかが告げられる。

2人の言葉を受け、武元は「私の中で『BACKS LIVE!!』というのはそれぞれが自由に、自分がやりたいようにたくさん研究して、伸び伸びとやれる場所。メンバー12人が、自分がセンターに立つ楽曲に対して熱い思いで向き合ってきたからこそ、ステージの上でひとつになれた。そんな思いが少しでも皆さんに届いていたらうれしいですし、何より一番は今日来てくださった皆さんが今日のことを思い出して頑張ろうと思える瞬間を作ることが目標でした。もし本当にそうなっていたなら、このライブは成功じゃないかなと思います」と自身の思いを伝え、最後に「I’m in」で再び会場がひとつになったところで、『8th Single BACKS LIVE!!』は過去最高の盛り上がりを迎えて幕を下ろした。

本来ならここでライブは終了するはずだったが、アンコールを求める観客の「櫻坂46コール」は一向に収まることはなく、しばらくするとメンバーが再登場することに。武元の「もう1曲やっちゃいます。油を注す準備はできてるか!」を合図に、最後の最後に「油を注せ!」再び披露して、それまでの盛り上がりをさらに更新する形で2時間以上におよぶライブは終了した。結果としてシングル表題曲なしという挑戦的なセットリストで挑んだ今回の『8th Single BACKS LIVE!!』。

ライブに強いイメージのある櫻坂46だが、今回のライブでもその実力は遺憾なく実施された。ここで見せつけた勢いをさらに高めながら、櫻坂46は6月15日、16日に『4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?- IN 東京ドーム』へと挑む。常に“最高”を更新し続ける彼女たちの成長する姿を、一瞬たりとも見逃さないでほしい。

(文/西廣智一)

▽2024.5.10(FRI)
Sakurazaka46 8th Single BACKS LIVE!!
at 幕張イベントホール

セットリスト
00. Overture
01. 条件反射で泣けて来る
02. 恋が絶滅する日
03. 断絶
04. もしかしたら真実
05. ブルームーンキス
06. ソニア
07. 確信的クロワッサン
08. 無念
09. ずっと 春だったらなあ
10. 僕たちの La vie en rose
11. Anthem time
12. Cool
13. 隙間風よ
14. Dead end
15. マンホールの蓋の上
16. 油を注せ!

<アンコール>
EN1. 魂のLiar
EC2. I’m in

<ダブルアンコール>
W-EN. 油を注せ!

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