「自分に投資することが大切だ」

そんな自身の言葉通り、世界的大富豪の″買い物″はすべてが豪快だった。

4月上旬、米フロリダ州のインディアン・クリーク島にアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏(60)が3軒目となる新たな豪邸を購入した。’24年最新版『世界長者番付』で3位の言わずと知れた大富豪が住む同島には、元NFL名選手のトム・ブレイディ(46)やイヴァンカ・トランプ(42)夫妻も住居を所有。13人の警備員が常駐し、わずか41軒の住宅とゴルフ場『インディアン・クリーク・カントリー・クラブ』のみがある。『ビリオネア・バンカー』と呼ばれ、まさに大金持ちだけが住むことを許された特別な場所だ。

「ベゾス氏の新邸宅は元銀行家のハビエル・ホルツ氏が所有していた物件で、購入価格は約9000万ドル(137億円)。ベゾス氏はこの島にすでに所有している2軒の邸宅を改装中で、今回購入した住宅は仮住まいの予定だといいます。工事費などすべてを加えると、約2億ドル(304億円)を超えると見られています」(国際ジャーナリスト・山田敏弘氏)

昨年5月、ベゾス氏は6歳年下のローレン・サンチェス氏(54)と婚約したと報じられた。同年11月には約30年間住んでいたワシントン州シアトルからフロリダ州に移住した。

「移住理由の一つは、自身が設立した宇宙開発企業『ブルー・オリジン』の事業に専念するためです。’21年には10分10秒の短時間宇宙旅行に成功し、話題になりました。二つ目はフロリダ州に引っ越してきた両親の近くで暮らすためです。しかし、″税金対策″の側面もあるでしょう。もともと住んでいたワシントン州は、’22年から25万ドル(約3800万円)を超える株式や債券の売却に対して、7%のキャピタルゲイン税を課すようになりました。一方、移住先のフロリダ州には州所得税もキャピタルゲイン税もない。ベゾス氏は実際、今年2月に所有しているアマゾン株式5000万株を売却しました。キャピタルゲイン税のないフロリダ州での売却によって、少なくとも6億1000万ドル(約930億円)を節税したとみられています」(同前)

豪邸購入のウラには、大富豪ならではの抜け目がない目的があったのだ。

『FRIDAY』2024年5月3日号より