世界遺産としても知られるメソアメリカの古代都市「テオティワカン」の終焉について、5度にわたり、壊滅的な規模のメガスラスト地震に襲われ、その1つが決定打となった可能性が新たな研究で示されました。

Teotihuacan ancient culture affected by megathrust earthquakes during the early Epiclassic Period (Mexico) - ScienceDirect

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352409X24001561



5 catastrophic megathrust earthquakes led to the demise of the pre-Aztec city of Teotihuacan, new study suggests | Live Science

https://www.livescience.com/archaeology/5-catastrophic-megathrust-earthquakes-led-to-the-demise-of-the-pre-aztec-city-of-teotihuacan-new-study-suggests



テオティワカン文明は、紀元前後から7世紀ごろにかけて、現在のメキシコシティに近いあたりを中心に栄え、西暦650年ごろに人口が10万人を超えて最盛期を迎えましたが、その後、急激に衰退しました。

急激な人口減少の原因は不明で、戦争や飢餓など、さまざまな要因が考えられています。

新たな研究は、有名な「太陽のピラミッド」や「月のピラミッド」なども含む遺跡を分析したもので、ピラミッドに用いられている石材の角が欠けていることなどから、西暦100年から600年にかけて、テオティワカンが5度のメガスラスト地震に襲われたことがわかったとのこと。



主任研究者のラウス・ペレス=ロペス氏によると、東日本大震災もメガスラスト地震の1つであり、放出される地震エネルギーは広島に投下された核爆弾の約3万2000発分に相当するそうです。

地震を受けたテオティワカンの民はピラミッドの耐震工事を行ったり、破損したところをわからないように隠したりしていました。

ただ、最後に訪れた大地震は、混乱とともに社会の物理的な基盤をも揺るがし、社会への不満が内乱につながっていった可能性があるとペレス=ロペス氏らは考えています。