今季のセリエAはインテルが安定した強さで制したが、心強いのはイタリア人選手の多さだ。かつてはセリエAの上位陣でプレイしているイタリア人選手が少ないと指摘されることもあったが、現在のインテルではイタリア人選手が重要な役割を任されている。
最終ラインではディフェンスリーダーのフランチェスコ・アチェルビ、3バックのセンターバックからウイングバックまでこなす万能DFマッテオ・ダルミアン、若きレフティーCBアレッサンドロ・バストーニ、左ウイングバックとして攻撃性が開花しているフェデリコ・ディマルコがいる。
中盤では攻守両面にフル稼働してくれるニコロ・バレッラ、貴重なバックアッパーとなっているダヴィデ・フラッテシだ。彼らは全員アズーリのメンバーであり、国内リーグを制しているクラブから代表選手を多く召集できるのは大きい。これはイタリア代表監督ルチアーノ・スパレッティの助けになっているはずだ。
インテルはシモーネ・インザーギの下で3バックをベースに戦っているが、スパレッティも3月の親善試合で3バックをテストしている。インテル組が3バックに慣れていることを考えれば、代表も同じシステムにしてもいいだろう。
伊『Calciomercato』は、インテルで中盤の底に入るMFハカン・チャルハノール、最前線でゴールを奪うラウタロ・マルティネスのタイプがアズーリに不足していると取り上げており、今夏のEURO2024までにレジスタとストライカーの位置は固めたい。
中盤ではアーセナルでプレイするベテランのジョルジーニョがいるが、センターフォワードは層が薄い。ジェノアFWマテオ・レテギ、アタランタの大型FWジャンルカ・スカマッカといった選手が候補となるが、ここはスパレッティも悩むところか。
いずれにしても、今のアズーリの最終ラインから中盤にかけてインテルの選手が中心となっていく可能性が高い。ここの連携や安定感はEURO連覇の目標へ重要なポイントとなるはずで、インテルがイタリアサッカー界に与える影響は大きいと言えそうだ。