痴漢撲滅活動をしていまーす!」
 週末の池袋駅東口交番前で大きな声を張り上げながら、道ゆく人たちにチラシとキーホルダーを配る2人の男性。その姿には見覚えがある人も多いはず。

 昨年、“私人逮捕系YouTuber”としてメディアを賑わせた「ガッツch」中島蓮さん。そして、特殊詐欺の元主犯格で現在は犯罪撲滅活動家のフナイムさんである。2人は「NPO団体 えんじん」を立ち上げたのだとか。

「NPO団体 えんじん」は、身近な社会問題の解決に取り組む団体として、現在は痴漢根絶を目標に、街頭でチラシや「痴漢抑止キーホルダー」を配布し、パトロールも行っているという。

 この日、彼らの声に老若男女が足を止め、そのなかには「YouTube見ています!」「頑張ってください!」「応援しています!」と、記念写真や握手を求めたり、差し入れを持ってくる人も少なくなかった。

 今回は立ち上げの経緯や今後の展望について、詳しい話を聞いてみた。

◆痴漢や盗撮の多さに愕然

 もともとガッツchでは、痴漢や盗撮の瞬間から犯人を拘束して警察に引き渡すまでの一部始終が動画で撮影されていた。中島さんがこういった活動を始めたきっかけはなんだったのだろうか?

「僕は過去の経歴が良くないんですよ。反社会的な組織に所属していたこともあるし、色々な事業をしていましたが、そのひとつであるメンズエステが摘発されてしまいました。不起訴に終わりましたが、自分が関わる全ての事業をやめざるをえなくなってしまったんです……」(中島さん、以下同)

 60日間に及ぶ留置所での勾留期間で、“次は何をすればいいのか?”と悶々と考えていたという。

「すごく反省して、今までのスキルやノウハウを活かして人の役に立つことがしたい。そんなことを考えていたとき、勾留中の人には、盗撮や痴漢で捕まった人がゴロゴロいることに気づいたんです」

 あまりの数の多さに「世の中にはこんなに痴漢がいるのか」と愕然とした。だが、そこで「自分にも取り組める問題だ」と思い立った。

「痴漢を捕まえるには駅に行けばいい。それをYouTubeに上げることで抑止力にもなるし、収益が出れば活動資金になると思いました」

◆“私人逮捕”が注目を浴びてしまって失敗

 その狙いは当たり、YouTubeは急速に伸びた。SNSやメディアでは「やりすぎ」という声も含めて大きな話題になった。だが、2023年11月に50代男性を不当に拘束したとして逮捕されてしまったのだ。

「いきなりアカウントがBANされてしまい、収益はゼロに……。インプレッションを稼ぎ、炎上してでも話題性を生むことで、ひとりでも多くの人に“痴漢の実態”に目を向けるきっかけになって欲しかったんです。でも実際は、“私人逮捕”が注目されてしまった挙句、僕の逮捕。完全に失敗でした」

 逮捕が転機となり、活動方針を見つめ直したそうだ。本来の目的は痴漢を撲滅し、人の役に立つこと。世間から“私人逮捕系YouTuber”と呼ばれなくなるためには、きちんと活動家になる必要がある……。そこで、フナイムさんとタッグを組み、「NPO団体 えんじん」を立ち上げたのだ。

◆「被害女性は震えて泣いていた」

 フナイムさんは「本当に埼京線の痴漢の数は異常です。一刻も早く解決しなければ」と語気を強める。

「埼京線の通勤ラッシュ時の1号車から3号車は危ない。1車両に多いときで30人ぐらいの痴漢がいることもあります。中島さんとパトロールに行くと、痴漢はすぐにわかりますね。普通の人はスマホを見たりしているけど、痴漢はホームで“品定め”をしていて、目ぼしい女性がいなければ電車を見送ります。痴漢するためだけに埼京線に乗り、何往復もしている人もいますね」(フナイムさん、以下同)