米スポーツメディア「SPORTING NEWS」(WEB版)が2024年4月14日、プロボクシングのスーパーバンタム級世界4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)の特集記事を公開。日本を主戦場とする井上について「何かを変える義務はない」との見解を示した。

井上尚弥「アメリカに来て試合をしろと言うコメントに?????」

井上は12年10月のプロデビュー以来、主に日本のリングで戦ってきた。

英国や米国で試合を行った経験はあるものの、世界タイトル戦のほとんどは日本で開催された。バンタム級に続いてスーパーバンタム級でも4団体の王座を統一し、今や「世界の井上」として高い評価を受けている。

だが、日本を主戦場とする井上に対して、批判的な声を上げたのが元WBC世界ウェルター級王者ショーン・ポーター氏(36)だ。

ボクシング専門ユーチューブチャンネルで「彼がボクシング界で世界最高のスターになりたいならこっち(米国)での試合が必要だ。海を渡ってアメリカに来て、アメリカ人を倒してファンに注目してもらわなければならない」と持論を展開した。

ポーター氏の発言はインターネットで拡散され、SNSで井上の「米国進出論争」が起こった。そんな中、当事者の井上は13日にXを更新し、ポーター氏への「反論」とみられるコメントを投稿した。

「アメリカに来て試合をしろと言うコメントに?????今や軽量級の本場はここ日本にある。試合が見たいのなら日本に来ればいい。日本のマーケット以上の物がアメリカにあるのなら喜んで行く。それだけの価値がここ日本にはある」

「井上は間違いなく世界最高のファイターである」

このようや経緯を踏まえた上で「SPORTING NEWS」は井上の本格的な米国進出問題に言及した。

記事では「井上尚弥はアメリカで戦う必要があるのか?」と投げかけ、「答えはノーだ」と断言。その理由を次のように説明している。

「ロベルト・デュラン(パナマ)、アレクシス・アルゲリョ(ニカラグア)、ウィルフレド・ゴメス(プエルトリコ)など、後に殿堂入りを果たす他国出身の選手たちは皆、大金を手にする試合をアメリカで求めていた。しかし時代は変わる。アメリカが巨大な力を持つのは間違いないが、日本とイギリスは強力なボクシングの温床である」

そして、こう続けた。

「井上は間違いなく世界最高のファイターであり、パウンド・フォー・パウンド(全階級を通じて最強)のスーパースターだ。彼は生まれた国で成功を収めたのだから何かを変える義務はない」

井上は5月6日、東京ドームで元世界2階級王者ルイス・ネリ(メキシコ、29)を相手に、スーパーバンタム級4団体王座の防衛線を行う。