「もう私は終わりだ」

銀行詐欺の罪で訴追されたドジャース大谷翔平の元通訳・水原一平氏。事件が明るみに出ることを悟ると、胴元であるマシュー・ボウヤー氏にそうメッセージを送ったという。

日米球界を巻き込んだ水原容疑者の違法賭博&不正送金問題は、4月11日、捜査当局の記者会見で全容が判明した。出席した国土安全保障省マーティン・エストラーダ連邦検事は大谷が自らの口座からブックメーカーのへの送金を承認した証拠はなく

「オオタニは被害者だったと考えている」

と述べた。

米放送局ESPNなどの報道によると、水原容疑者は大谷の銀行口座に不正にアクセスし、違法なブックメーカーに少なくとも1600万ドル(24億5000万円)以上を不正送金。期間は‘21年12月から‘24年1月まで約2年間で、賭けた回数は約1万9000件。賭け金の総額はなんと1億8290万ドル(約278億円)。賭け金から勝ち額を引いた損失は4070万ドル(約62億円)にのぼるという。

水原容疑者は「事実上のマネジャー」としての立場を悪用し、’18年に移住した際に開設した大谷の給与が振り込まれる銀行口座情報を代理人や会計士らとは共有せず、その理由を

「大谷自身が明かしたくないから」

と伝え、さらには巨額の送金のため銀行に対し、何度も大谷を装ったことなどを明かした。

当局者によると

「たまに賭けに勝った時は大谷の口座ではなく、水原の個人的な銀行口座に振り込まれていた」

という。まさに大谷を“財布代わり”にしていたというわけだ。ネット上では

《エグすぎる》

《極悪人じゃないか》

《大谷が人間不信にならないか心配》

といった声が寄せられている。

水原容疑者当人はチームメイトの前で

「自分はギャンブル依存症だ」

とカミングアウトしたとされるが、時系列からして、違法賭博を開始した’21年12月以前の’18年時点で“工作”を開始していたのだから、果たして依存症と言えるのか疑問も残る。

さらに当局者の話では水原容疑者は今年1月から3月の間に「ジェイ・ミン」の偽名でベースボールカード約1000枚を購入。代金の総額は32万5000ドル(約4900万円)で、これも大谷の口座から送金していた。商品はドジャースのクラブハウスに直接届けられたというから、大胆な“犯行”と言える。

同容疑者を知るスポーツ紙野球担当記者は

「ベースボールカードは違法賭博とは無関係のコレクトアイテム。これを大谷の口座から堂々と購入し、クラブハウスに配送させるのだから、いかに『バレない』と自信を持っていたのかがわかる。我々が想像する以上に水原容疑者の闇は深かった」

と肩を落とす。

そのベースボールカードにも疑惑が浮上する。一般的にコレクターが多いのは「Topps(トップス)」のMLBカードで、一枚数百円からレア度によって高価格で取引されている。

「限定カードや直筆サイン入りカードだと、数十万円から数百万円で取引されています。水原容疑者は約1000枚を4900万円で購入しているのだから、1枚当たりの単価は4万9000円。

おそらく今後、お宝となりそうなレアカードを購入したのでしょう。ベースボールカードやポケモンカードは、全世界にファンがいるので、投資対象として扱われることも少なくありません」(同・スポーツ紙記者)

一部では水原氏が購入したベースボールカードを持ち歩き、大谷や遠征先で出会ったスター選手から“直筆サインをもらおうと画策していたのでは?”という疑いも指摘されているが、現時点でそれは確証が得られていない。

「水原容疑者の挙動を見る限り、入念な計画性を感じます。どの時点から大谷選手をダマそうとしていたのか? 今後の供述がカギとなりそうです」(同・スポーツ紙記者)

巧妙に隠し続けてきた化けの皮がはがれた水原容疑者。「もう終わりだ」発言もうなずける――。