僕は彼のことを周囲の評価ばかり気にする ”キョロ充” と評しているのですが、そこは学生時代の僕とも似ている気がします。

ファイルーズ 私が演じる秋はカネゴンとは真逆、周囲からどう見られているかに全く頓着がない自然体の子なんです。それ故に自分の好きなものには脇目もふらずに熱中できる。その何かにのめり込む姿は私と似ていると思いました。
あと、好きなものについて語る時に早口になるところも、私と似ているかもしれません。オーディションでは彼女が早口で格闘技について語るシーンが課題として出たんですが、その時はオタク語りをしている自分を思い浮かべながら演じて、その結果合格をいただけましたから。

――本作序盤でカネゴンと秋は志村のことをどう見ていたと思いますか?

岡本 カネゴンは最初、志村のことを「利用価値のある存在」程度に思っていたのではないかと。ただ、カネゴン自身には人の魅力や才能を敏感に感じ取る能力があるので、志村の中に光るものを見出しており、無意識下で彼のことを評価していたとも思うんです。だからこそ状況が変わった瞬間に、志村と手を組むという判断が瞬時にできたのではないかと思っています。

ファイルーズ 同じく秋も、最初から志村に光るものを感じていたと思います。ただ、それはスカウトマンが良い選手を見つけた時に近い、”才能を感じる”といった感情に近かったんじゃないかと。その感情がどう変化していくかは……放送で確かめてほしいです!

――丹羽さんは今作で初座長となります。収録現場はいかがですか?

丹羽 緊張しています。収録も僕が一番時間がかかるので、他のキャストの皆さんに見守られながら必死に演じています。

岡本 僕はあまり丹羽くんが緊張しているのを感じないんです。僕が丹羽くんぐらいの時はもっとガッチガチだったので、丹羽くんを見ていると「すごくしっかりとした子だな」と思います。
ただ、さっきの写真撮影の時は見ていて「緊張しているな」とは思いましたけど(笑)。

丹羽 すみません……あまり写真を撮られ慣れていなくて……。

岡本 そういうのも、これから慣れていくと思う(笑)。

ファイルーズ 丹羽くんはまつ毛が長いから、撮影の時は少し顔に角度つけるといいと思うよ。そうすると写りがいいと思う!

丹羽 そうなんですね、ありがとうございます!

ファイルーズ 私から見た丹羽くんはとにかく謙虚で、お芝居に熱心な方という印象です。自分が演技しない時もアフレコブースに入って演技を見たりしているんです。そういう姿勢を見ていると、私も初心を取り戻さなければと思わされます。いい刺激をもらっています。

――丹羽さん自身、スタッフの方と話す機会も多いかと思いますが。

丹羽 そうですね。特に音響監督の濱野高年さんとはかなり密にコミュニケーションを取らせていただいています。その中で演技面はもちろん、アニメの作り方もすごく丁寧に教えていただけていて、毎週すごく勉強になっています。

――岡本さんとの掛け合いはいかがでしたか?

丹羽 岡本さんの演技に引っ張ってもらいながら、収録を進めている感じが強いです。第1話から岡本さんがカネゴンになりきって演技をしてくださったので、僕自身も本気でカネゴンにイライラしながら演じることができました。貴重な体験をさせていただいていると感じています。

――その辺り、岡本さんとしては狙い通りという感じなのでしょうか?

岡本 特に第1話のカネゴンは本当にひどいクズ以下のクズなので、人間の卑しい部分を思いっきり込めて演じていました。その一方で、彼の魅力的な部分が見えてくる時との整合性を考えないといけないとは思っていましたので、悪意を込めず、深い考えなしに酷いことを言ってしまう感じは出そうと意識していました。