(写真:namuro/PIXTA)

1月1日の能登半島地震をきっかけに防災意識が高まっている。多くの防災情報が発信されているが、特に押さえておきたいのは居住エリアで地震が発生したときの危険性だ。

東京都の場合は、建物倒壊や火災延焼などの危険性を地域別に測定した「地震に関する地域危険度測定調査」を公表している。第9回の調査は、都内の市街化区域の5192町丁目を対象に実施。「建物倒壊危険度」「火災危険度」「総合危険度」の3種類でそれぞれランク分けされている。

同調査の「総合危険度」の結果を基に「地震危険度が高い東京都の地域ランキング」上位100を紹介する(調査の詳細は東京都不燃化ポータルサイト「地域危険度」のページから確認できる)。

どのエリアの危険性が高いのか相対評価

地震に関する地域危険度測定調査は「首都直下地震等による東京の被害想定」とは異なり、特定の地震を想定したものではない。1975年からおおむね5年ごとに実施している調査(最新版は2022年9月公表)で、地域間の被災の危険性を相対的に比較するため、すべての町丁目で同じ強さの揺れが起きたと仮定して測定している。

東京都の地域危険度測定調査部会会長を務めた、東京都立大学の中林一樹名誉教授は、「下町か台地の上かで地表の揺れやすさは異なるが、それぞれの町の真下に同じ大きさの地震を設定し、どれだけ建物が壊れるか、どれぐらい出火し、燃え広がるかを町丁目ごとに地震被害を計算した。5192の全町丁目の危険性を建物の被害密度(棟/ヘクタール)で出し、相対的に比較評価するが、木造密集市街地は被害が集中するので危険度が一番高くなる」と説明する。

調査結果の「総合危険度」は、建物倒壊危険度と⽕災危険度を合算し、避難や消火・救助活動のしやすさを加味したものだ。危険性の度合いを5段階の相対評価で分類。各ランクの比率をあらかじめ定め、危険量の大きい町丁目から順位付けしている。

最も危険度が高い「ランク5」は85町丁目(1.6%)、「ランク4」は288町丁目(5.6%)、ランク3は822町丁目(15.8%)、ランク2は1653町丁目(31.8%)、ランク1は2344町丁目(45.2%)という比率になっている。

総合危険度の1位は「荒川区荒川6丁目」、2位は「荒川区町屋4丁目」、3位は「足立区柳原2丁目」という順だった。

地域危険度を確認して地震に備える

中林名誉教授は調査結果の活用の仕方をこう語る。

「地域危険度マップは東京都や区市のHPからも見ることができるので、マンションやアパートを探している人には、住みたい町に地震が来たらどういう危険性があるかを確認してほしい。すでに危険度の高い町に住んでいる人には不燃化改修や耐震改修の検討など、自分の防災を考える材料になる。都と区市で、工事費などの支援もしているので、備えをきちんとしてほしい。

でも地震後に火災があったら早目に、助け合って都や区市が指定している『避難場所』に避難して命を守ってください。『避難所』ではありませんよ」

1〜50位


51〜100位


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(東洋経済オンライン編集部)