残業が少ないのに年収が高い、タイパのいいホワイト企業はどこか(写真:Mills / PIXTA)

「できればホワイトで年収が高い企業に行きたい……」。これは就活生の多くが抱く本音だろう。しかし、学生のうちから「ホワイト企業」の明確な基準を持っている人はまだ少ないかもしれない。

今回は、残業時間に着目して、ホワイト企業について考えてみよう。例えば定時(標準労働時間)が9:00〜18:00の会社で月20日働く場合を考えると、

残業0時間/月⇒毎日18:00退社
残業20時間/月⇒毎日19:00退社
残業40時間/月⇒毎日20:00退社

と、かなりワークライフバランスに差が出てくる。

残業が月10時間以下の企業をピックアップ


どれくらいの残業時間であれば無理なく働くことができるかは人や環境によって異なる。まずは志望企業の定時と残業時間から毎日の労働時間を逆算し、通勤時間なども含めて、その生活を送ることを具体的に想像してみるのがおすすめだ。

今回は多くの就活生の参考になるよう判定基準を厳しめに設定し、残業が月10時間以下、すなわち毎日残業30分程度以下の企業をピックアップし平均年収が高い順にランキングした。

『就職四季報』では、毎年独自調査を行い、各企業の残業時間を掲載している。今回は全従業員ベースの残業時間を基にランキングを作成したが、『就職四季報 総合版』では総合職のみを対象に集計した残業時間も掲載している。

また、法律では月45時間が残業時間の上限となっている。これに近しい、もしくはそれ以上の残業実態のある企業は残業時間を非回答(NA)とするだろうことは容易に想像できるだろう。残業時間NAの企業はすべて「ブラック」というわけではもちろんないが、OB・OG訪問などでしっかり働き方を確認してほしい。

平均年収1000万円超の上位企業は?

1位は霞ヶ関キャピタル。物流施設やホテルの投資家向け開発・運用を行う不動産企業だ。総合職平均年収1407万円、平均残業時間は10時間/月と、就活生にとってかなり魅力的な数字が並ぶが、直近の新卒採用実績は2022年に1人とかなり狭き門になっている点は注意が必要だ。

2位はアステラス製薬。製薬業界国内2位の大手だ。残業時間が少ないだけでなく、有給休暇の平均取得日数も15.7日/年と高水準。製薬会社というと理系大学院生だけの狭き門に思えるかもしれないが、毎年大卒の採用実績もある企業だ。

『就職四季報』シリーズには、残業時間以外にも有給休暇取得日数や勤続年数、転勤やテレワークなど、働きやすいホワイト企業を見つけるヒントが多く掲載されている。また、ホワイト企業の見つけ方や隠れ優良企業情報は、公式サイト「シキホー!Mine」でも公開中だ。

1〜50位


51〜100位


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(丹羽 夏海 : 東洋経済『就職四季報』編集部)