Amazonは配送ドライバーを監視するための車載カメラを車両に取り付けたり、従業員のキーボードとマウスカーソルの動きを追跡したりと、あの手この手で従業員を監視しようとしていることが知られています。新しく、Amazon倉庫のコーヒーマシンのカメラが休憩室を撮影していたことが判明しました。Amazonは、カメラの誤作動であると説明しています。

Coffee machine camera at Amazon warehouse raises concerns

https://sahanjournal.com/business-work/amazon-coffee-machine-camera-surveillance/

ミネソタ州のニュースを扱う非営利サイト・Sahan Journalは2024年2月20日に、Amazonの倉庫にあるコーヒー自動販売機のカメラが休憩室を撮影しているのが偶然見つかったと報じました。



ミネソタ州にあるAmazonのメープルグローブ倉庫で、仕分けスタッフとして働いているジョナサン・カナディ氏がカメラの存在を知ったのは、2月9日のことです。

カナディ氏によると、この日、配送ステーションの従業員がコーヒーを飲もうとしたところ、コーヒー自販機のタッチスクリーンに「ギャラリー」と書かれたボタンがあることに気がついたとのこと。そして、従業員がそのボタンを押してみると、休憩室の写真が6枚ほど見つかりました。

この発見は山火事のように職場全体に広がり、従業員たちがその目で確かめようと自販機に殺到して大騒ぎになったため、経営陣が現場に駆けつけて「状況のトリアージ」をしなければならなかったそうです。

ミネソタ州で働く東アフリカ出身労働者の労働団体・Awood Centerのエグゼクティブ・ディレクターであるアブディラフマン・ミューズ氏は、Amazonが過剰に従業員を追跡していることが明るみに出たばかりだということを踏まえると、憂慮すべき事態だと話しました。

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一方、Amazonの広報担当者であるアリサ・キャロル氏は、自販機のカメラが休憩室の写真を撮影したのは誤作動によるものだと釈明しました。キャロル氏によると、自販機メーカー・Canteenが納入したこの機種にはタッチスクリーンが搭載されているほか、利用者がカードでコーヒーを購入できるようにカメラも取り付けられているとのこと。

ただし、Amazonは従業員に無料でコーヒーを提供しているので、実際にはカメラは使われておらず、またカメラには音声を録音する機能もないとキャロル氏は話しました。

カメラが写真を撮っていることが判明した後、Amazonの経営陣は従業員とともにこの問題の対処に取りかかり、速やかに担当者を派遣して機械を調べるようCanteenに連絡しました。

Canteenは、Sahan Journalからのコメントの要請に応じませんでした。

Amazonは、カメラを搭載していないか、またはカメラが無効な新しいコーヒー自販機が到着するまでの間、この職場のコーヒー自販機はカメラをテープで覆った状態で稼働させているとしています。



カナディ氏によると、問題の休憩室には他に天井の監視カメラと、購買のセルフレジに取り付けられたカメラの2つの監視カメラがあるとのこと。これらのカメラは従業員によく見える位置にあり、その存在がはっきりと認識されるのに対して、コーヒー自販機のカメラの存在は誰も知りませんでした。

カナディ氏は、「建物の周囲に監視カメラがあるのはわかりますし、それは構いません。ですが、コーヒーマシンのカメラは本当に二枚舌な感じがして、腹が立ちます」と話しました。

また、キャロル氏は同様のコーヒー自販機がAmazonの職場に何台あるかは把握していないとした上で、「Amazonはいかなる形であれ、従業員に弱い立場にあると感じさせるつもりはありません」と述べました。