国内最大級のクリスマスイベントという「東京クリスマスマーケット」で、会場内の飲食店で買った「ソーセージ盛り合わせ」について、「5種類」と店頭で表示されているのに1種類しかなかったとX(旧ツイッター)上で苦情があり、比較写真が投稿された。

写真を見ると、店頭には5種類違ったソーセージのイラストが描かれていたが、食べかけの4つのソーセージは、見た目はほぼ同じだった。投稿内容は事実なのか、店の現場責任者らに取材した。

ソーセージ盛り合わせは、税込み1000円で販売

東京クリスマスマーケットは、2023年11月23日から12月25日まで33日間の期間で、東京都新宿区内の明治神宮外苑にある総合球技場を中心に開かれている。

プレスリリースによると、イベントは9年目を迎え、前回は日比谷公園で25万人の来場者を集めた。今回は、国際交流などをテーマに規模も拡大し、飲食店25店、雑貨30店が出店し、来場予定は40万人を見込んでいる。

ところが、開催5日目の27日になって、マーケットに出店した「Junkie Food Stand」でソーセージを買ったところ、出てきたものが店頭イラストと違うと、比較する写真が投稿された。イラストでは、5種類違うソーセージが描かれており、英語でも5種類と明記されていたが、食べたのは、1種類5本だったという。ソーセージを入れた白いボックスにはフタがしてあり、フードコートに移動した後に気づいたが、会場が混雑していたため、キャンセルはあきらめたとしている。

Junkie Food Standでは、「北海道産牛のローストビーフ」などが販売され、今回のソーセージ盛り合わせは、税込み1000円で販売されていた。ただ、投稿写真では、盛り合わせの表示の上部分のほか、韓国語や中国語の表記の一部がテープで隠されていた。

写真投稿は、1万4000件以上の「いいね」が集まり、反響を呼んでいる。同様な訴え2件が写真投稿者からリポストされており、うち1件は、見た目がほぼ同じのソーセージ写真が出ていた。

Junkie Food Stand現場責任者の男性(51)は12月1日、J-CASTニュースの取材に対し、事情を説明した。

欠品して別のソーセージを調達

現場責任者の説明によると、イベント開幕当初は、ガーリック、チョリソ、ハーブなど見た目も違う5種類のソーセージをセットで販売していた。しかし、ビールと合うソーセージの売れ行きがよく、3日目の11月25日ごろには、セットが欠品になってしまった。

そこで、あらびきなど違う種類のソーセージを5種類調達したが、これらは、見た目がほぼ同じだった。分かりづらくて誤解を与えてはいけないと、5種類とした日本語のほか、中国語、韓国語の部分にテープを貼ったが、英語については、貼るのを忘れていたという。さらに、アルバイトに5種類を入れるように指示したが、見た目が同じだけあって、同じ種類を入れる間違えがあったかもしれないという。50〜60食を販売したが、いくつかは、1種類5本だった可能性があると認めた。

「ウソをついて売りたかったわけではありません。同じ種類ばかりだったとすれば、僕の管理不足です」

客からの苦情としては、買った人が一度、「これって?」と言ってソーセージを持ってきたことがあった。そのときに、英語の部分にテープが貼っていないことに気づき、買った人がそのまま食べるとしたため、半額の500円を返金した。

写真投稿がX上であった翌日の11月28日には、東京クリスマスマーケット実行委員会事務局と話し合い、今回のことで注意された。30日からは、ソーセージ盛り合わせの販売を中止し、店頭のイラストも撤去した。

「せっかく楽しみにイベントに来ていただいたのに、申し訳ありません。こんなことは初めてで、これからは気を付けたいと思っています」

なお、現場責任者は、大阪で食料品販売を手がけており、イベントでは調理の仕事をしているという。

東京クリスマスマーケット実行委事務局は12月1日、「写真が投稿されていましたので、改善するように伝えており、メニューは変えられています。お店に任せており、それ以上の取材はお答えできません」と担当者が取材に話した。公式サイトなどでの説明をする予定はないという。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)