あびる優との間に産まれた愛娘を巡る“違法連れ去り”問題、元事実婚妻・絵莉さんとのDV疑惑……。常にネットニュースを騒がせる才賀紀左衛門(34)が、Breaking Down10に出場することとなった。今でこそプライベートばかりが注目される才賀だが、もともとは幼稚園から空手を始め、K-1甲子園で頭角を現した生粋の格闘技エリート。なぜ参戦を決めたのか? プロ選手が不良の大会に出ることへの批判をどう受け止める? バッシングを浴びせる世間に伝えたいことは? 本人を直撃したところ、今回の試合に懸ける並々ならぬ想いを吐露してくれた。

【写真】「自分を取り戻すための一戦」才賀紀左衛門の撮り下ろしカット【5点】

「当たり前ですが、俺の本業は格闘家です。格闘技が心の底から好きだし、自分を表現できるのは格闘技でしかない。だけど、実際は2年ほど試合から遠ざかっていまして。その理由はプライベートがゴタゴタしていたのもあるけど、それ以上に大きかったのはケガの問題。

これは当初考えていたよりも深刻で、正直、今も試合時間が長くなると不安が残るんです。その点、Breaking Downルールは1分間じゃないですか。ちょうど自分に合っていたんですよね」

 そうしたルール面に加えて、才賀はBreaking Downの注目度の高さにも魅力を感じているようだ。これは彼のキャリアにも大きく関わってくる話である。というのもK-1デビュー戦こそ大晦日の「K-1 PREMIUM 2007 Dynamite!!」で派手に地上波放送されたものの、その後は格闘技界が冬の時代を迎えたことによって露出が一気に低下。“知る人ぞ知る存在”になることを余儀なくされた。そこで「どれだけ強くても、その強さが誰にも知られなかったらメシも食えない」というプロとして当然の考えに至ったのだ。

「RIZINに出たときも、『なんで立ち技の選手が総合(格闘技=MMA)をやらなくちゃいけないの?』という声はあったんです。でも僕としては、その時点で一番勢いのある舞台に上がることを優先したかった。これに関しては、僕と同じ考え方をする選手は多いはずですよ。

今の時代、普通に格闘技をやっていたら、Breaking Downを目指すのは当然の話。だって、単純に一番注目度を集めている舞台なんですから」

 しかし、一方でレジェンドの魔裟斗やRIZINフェザー級王者になった鈴木千裕からは「ヤンキーが輝くと格闘技の未来がなくなる」「彼らが格闘技の質を下げている」などと大会の存在意義を問題視する声が挙がっているのも事実。この「Breaking Downは格闘技界にとって是が非か?」論争に関しては、才賀も言いたいことがあるようだ。

「(否定的な意見には)じゃあ逆に聞くけど、『不良が更生したら、あかんのか?』という話。そりゃ魔裟斗さんはいいですよ。すでに社会的に成功している立場なので、好きなように言えるでしょうね。

千裕に関しては、根が真面目なガリ勉タイプ。だから、くすぶっている奴らの気持ちがわからないんだと思う。何よりも(朝倉)末来がいい例じゃないですか。本人も言っているように、未来は格闘技に出会わなかったら不良のまま終わっていたはずですし」

 Breaking Down批判には2つの論点がある。「社会通念や教育上、よろしくない」という角度のほかに、「競技レベルが低すぎる」という意見だ。格闘技マニアは「1分間では攻防が少ない」と敬遠する傾向があり、それゆえに「Breaking Downはオーディションが本番で、試合自体はおまけ」と揶揄されるのも事実だ。

「正直言って、RIZINに出ているトップどころでも1分間のBreaking Downルールでは勝てない選手が大勢いると思いますよ。公開されたオーディション動画では『プロなんだから勝つのは当たり前』みたいな感じで自分は煽っていますけど、本音を言えばチャレンジする側の気持ちで今はいます。