先日、米カリフォルニア州でホエールウォッチングのツアーに参加していた野生動物写真家が、アシカがサメを襲う驚きの光景を動画で捉えた。サメがアシカを襲うのが一般的であると考えられるが、今回目撃されたアシカはサメの喉元に噛みつき、海面にサメを叩き付ける獰猛な一面を見せていた。この写真家は「今まで見たことが無く、衝撃を受けた」と語っていると、英ニュースメディア『The Sun』などが伝えた。

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先月20日、米カリフォルニア州のモントレー湾でホエールウォッチングのツアーが行われた。その際、ツアーに参加していた野生動物写真家が撮影した衝撃的な動画が、最近になって公開され注目を集めている。

話題の動画を撮影したのはローリー・ヘスペさん(Lori Hespe)だ。「今までの人生で、こんな光景は一度も見たことがありませんよ。非常に衝撃を受けましたし、驚きました」と当時を振り返っている。

そんなローリーさんが撮影した動画には、クジラではなく、アシカとサメの姿が映っていた。一見すると、サメがアシカを襲っているのかと思うが、実際は逆だった。画面中央部分の海面で何かが動いたかと思えば、サメの喉元に噛みついたアシカが姿を見せ、力いっぱい振り回して海面にサメを叩き付けた。その後、アシカはサメを食いちぎってサメの肉を頬張っていた。

ローリーさんによれば、カリフォルニアアシカという種類のアシカがサメに攻撃を開始してから噛みちぎるまでの時間は、3分ほどだったという。「海洋哺乳類センター(Marine Mammal Center)によると、アシカはチャンスがあれば獲物を捕らえる動物なので、イカやニシンなど、簡単に捕まえられそうな獲物が目の前に現れれば襲うのです。その中には小さなサメも含まれます」とローリーさんは説明する。

またアメリカ海洋大気庁(NOAA)によると、カリフォルニアアシカのオスは最大で体長7.5フィート(約2.3メートル)、体重は700ポンド(約317キロ)にまで成長する。一方で、今回アシカに襲われていたとみられるヨシキリザメは、成体で体長7フィート(約2.1メートル)と体の大きさはオスのカリフォルニアアシカとそこまで変わらないが、体重は454ポンド(約206キロ)であり、かなり軽い。今回動画に映っているサメは体長もカリフォルニアアシカと比べて小さく見えるため、アシカがサメを襲うことができたのかもしれない。

米ニュースメディア『ABC7 Los Angeles』がTikTokやFacebookアカウントでこの動画を公開すると、「これは貴重な瞬間を捉えたね」「もしこのサメが人間だったらと考えると、ちょっと怖いな」「自然にはいつも驚かされるよ」「アシカだって自分の身を守らないといけないからね」「いつも襲われる側だから、リベンジしたのかな?」など様々な声がコメント欄に寄せられた。

なおテックインサイト編集部ではローリーさんに、ホエールウォッチングツアーに参加していた観光客たちはこの光景を目の当たりにしてどのような反応をしていたか、この出来事によって動物の行動や相互作用に対する見方が変わったかなどをうかがうべく取材を申し入れている。

ちなみに2020年には、ラッコがサメを抱えて噛みつく衝撃の瞬間を捉えた写真が公開され、話題を呼んでいた。専門家も「捕食の相互関係が入れ替わった貴重な写真」と驚きのコメントを残していた。

画像は『The Sun 2023年11月16日付「TABLES TURNED Savage moment sea lion rips out a shark’s throat in flesh-tearing bloody attack in front of horrified beachgoers」(Credit: YouTube)』『New York Post 2023年6月16日付「Deer seen savagely eating snake ― it’s not as shocking as you think」(ViralHog)』『ABC News 2020年10月28日付「Cow caught chewing on a large python in outback northern Australia」(Supplied: Andrew Gertz)』『Daily Star Post 2020年11月5日付「Swallowed eel manages to burrow its way out of a heron’s throat mid-air to reclaim its freedom」(@22smd/Jam Press)』『Skomer Island 2020年4月9日付Facebook「“Bang go all those Easter eggs”!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)