両親が小さい頃から、『有華は大丈夫!』って言ってくれていたので、自分を疑うことなく常にチャレンジしたいという性格に育ちました。失敗しても怪我しても死にはしない、死ぬこと以外かすり傷みたいなところは今もありますね」
『ウィズ〜オズの魔法使い〜』で高い評価を得た増田は、現在に至るまで数多くのミュージカルに出演している。
「言ってしまえばミュージカルってセリフを歌っているわけですから、メロディーに合わせて綺麗に歌うのとは違うんです。だから最初の頃は、『綺麗に歌い過ぎている』と演出の方から言われることもあって。経験を積んでいくうちに、歌もお芝居の一つなんだと理解できるようになりました。今、『お芝居が好き!』と胸を張って言えるのは、お芝居だけではなく、歌も歌ってきたからというのがあります」
映画『Love song』では、クライマックスで花が歌うシーンが用意されている。
「『Love song』には拳銃も出てくるし、薬物も出てくるし、暴力団も出てくる一方で、ひたむきに人を愛する純粋な気持ちが描かれています。初めて脚本を読んだときに、口下手で上手く言葉にできない感情を、歌に乗せて表現する子なんだと共感しました。私にとって歌は、衣食住ぐらいかけがえのないもの。
いまだにAKB48の頃から応援してくれているファンの方は『歌の上手い子』と言ってくれますし、私の歌を聴いて泣いてくれる方もいて。これからも自分のためだけではなくて、誰かのためにも歌い続けていきたいですし、そういう思いを込めて花としても歌いました」
お芝居を通して、歌い方にも変化があった。
「ずっと上手く歌わなきゃという意識が強かったんですけど、俳優として『お芝居とは?』ということに向き合うようになってから、すごく楽に歌えるようになったんです。具体的に言うと、お話するように歌うと、自然とブレスも長く続いて、そこはすごく変わりました。
舞台の再演で数年前と同じ曲を歌うときに、過去の音源を聴くと『自分の歌を分かってほしい!』みたいな気持ちが強く出ているんです。最近は包み込むように歌えるようになってきたので、経験値が大きいんでしょうね」
2022年11月に出演した舞台『実は素晴らしい家族ということを知ってほしい』も、お芝居への意識が大きく変わるきっかけとなった。
「中野のテアトルBONBONという小劇場でやらせていただいた舞台なんですが、毎回お客さんが変わるごとに空気感が変わるというか。手を伸ばせば届く距離にお客さんがいる中でお芝居をしたときに、自分が演じる意義をすごく感じて。一時期は急にキャスト変更があって、私の役を誰かがやったとしても、別に変わらないんじゃないかなと思っていたんです。でも、今回の『Love song』もそうですけど、今は私にしかできないお芝居がしたいという欲が出てきましたし、それを実践できているなと感じています」
▼『Love song』
2023年10月20日(金)より池袋シネマ・ロサにて上映!ほか全国順次公開
増田有華 木口健太 山口大地/藤吉久美子 本田博太郎
青木一馬 平山 大 牧野裕夢 広瀬彰勇 大川夏凪汰 佐藤真澄 角 謙二郎
監督:児玉宜久
脚本:村川康敏 宍戸英紀
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