
先日、巨大テック企業のMetaが新VR/MRヘッドセット「Meta Quest 3」を発表。
ヴァーチャルリアリティ(VR:仮想現実)だけではなく、ミックスドリアリティ(MR:複合現実)もより体験できるようになったMeta Qeust 3ですが、端末はさておき、発表会の様子を見て強く感じたことがありました。
追いついてきたな。
VR/MRの世界を体験するためのハードウェアが、数年前から盛んに耳にする「メタバース」という世界観に追いついてきた気がしています。現実とメタバース世界が近づいてきたと言ってもいいかもしれません。
500ドル、7万円台から購入できるヘッドセットQuest 3。元Facebookが作る元Oculus端末。この「元」だけでも、現実とSFのような世界を近づけるため、すでにどれだけ時と労力を要してきたかがうかがえます。
端末が、世界が、メタバースという構想に追いついてきたとはいいつつ、現時点ではまだMeta Quest 3はハードコアなゲーム端末。僕はQuest 2も持っていますが、これを使うのはよっぽど面白そうなゲームがリリースされたときくらい(例えば今息子がドはまりしているGorilla Tagとか)。
ただ、いよいよここからだという空気感を肌で感じています。
高画質のカラーパススルーで繋がる世界
前モデルよりちょっと小さくなって、コントロールが改善され、スクリーンの画質もアップしたQuest 3。
最も大きなアプデは高画質のカラーパススルーカメラ。これによって、ヘッドセットを装着していても、目の前の現実を見ることができ、現実の上にデジタル物体を被せた表現が可能になります。
Quest 2ではこれが粗めの白黒パススルーでしたから、MRを楽しむというよりは、机の角で足ぶつけないようにね程度の機能としか思えませんでした。
2012年、スキーゴーグルみたいと揶揄されたOculusのVRヘッドセットプロトタイプを試してから、ほぼすべての一般消費者向けVRヘッドセットは試してきたと豪語する僕としては、現実から完全に切り離してしまうヘッドセットと、現実をつながる術(パススルー)を持つヘッドセットは大きく異なります。例えメインで楽しみたいのがヴァーチャルの世界だとしても、です。
だからApple Vision Proが注目される
Apple(アップル)が発表した初のVRヘッドセットVision Pro。デモで試すことができたのですが、パススルーカメラが素晴らしく、目の前の世界はまるでヘッドセットが透明になったかのようでした。ほぼ現実です。

Vision Proと比べると、Quest 3のパススルー映像は劣ります。
ですが、より多くの人が手に取る機会があるのはこっち。なぜなら価格の桁が違うからです。
Vision Proが3,500ドル(約52万4000円)なのに対し、Quest 3はその1/7の500ドル(日本国内価格 7万4800円〜)。今年の年末商戦には、ゲーム関連商品として大ヒットする気がしています。
10年後にあのときやっておいてよかったと思うはずだと、メタバースを強く推し続けるMetaのマーク・ザッカーバーグCEO。メタバースのSNSプラットフォームはさておき、ハード面ではザッカーバーグがどうしても、どうしても、どうしても諦めない夢の実現に近づきつつあるようです。
「収益の次なる柱はWhatsAppだ!」と言いつつも、メタバースを諦められないザッカーバーグ
外部リンクギズモード・ジャパン