米フロリダ州に住む男児(12)が今月初め、プールに潜ったまま意識を失った男性を引っ張り上げ、心肺蘇生法(CPR)を施して救命した。男児はNetflixの大ヒットドラマを見ていてCPRを学んだそうで、助かった男性は男児を「ヒーロー」と呼んで称えた。当時の映像とともに米ニュースメディア『ABC7』などが伝えている。

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フロリダ州パームビーチ郡に住むオースティン・マクミラン君(Austen MacMillan、12)は今月初め、行動療法士のジェイソン・ピケットさん(Jason Piquette)と裏庭のプールで遊んでいて、ある事故に遭遇した。

ジェイソンさんは当時、「水中でどれだけ長く息を止められるか」というゲームに挑戦していたものの、潜ってから30秒ほどで気を失ってしまったそうで、浮上してくるのを待っていたオースティン君は「何かがおかしい」と焦りを感じたという。

そして5、6分が経過すると、オースティン君は「あまりにも長すぎる」とプールに潜り、ジェイソンさんを水深が浅い階段付近に引き上げた。

当時の様子は監視カメラが捉えており、せっかく引き上げたジェイソンさんが階段からずり落ちてしまい、オースティン君が浅瀬に引っ張り寄せているのが確認できる。そしていったん外に飛び出したオースティン君は大声で助けを求め、再びプールサイドに戻ると心肺蘇生法(CPR)を施した。

オースティン君によると、CPRを始めてから数分後にジェイソンさんは意識を取り戻したそうで、ちょうど帰宅したオースティン君の父アンドリューさん(Andrew)が緊急通報をしたという。

なおアンドリューさんはその時のことを、「息子はそれまで聞いたことがないような、凄まじい勢いで泣き叫んでいてね。ちょうど帰宅した私は、抱えていた食料品をその場に置いて走ったよ」と明かしており、不在だった母クリスティーナさん(Christina)は次のように語った。

「夫から最初に電話があった時は、言葉が出てこなかったわ。まるで身体が固まってしまったようでね。それでも息子を心から誇りに思い、本当に勇敢で強い子だと感心したものよ。」

一方でジェイソンさんは「あの時のオースティン君の強さや賢さには驚いているよ。彼がいなかったら僕は今ここにはいないし、彼は僕のヒーローだよ。今も、これからもね」と述べ、オースティン君をギュッとハグして感謝した。

実はオースティン君、CPRの方法をNetflixの大ヒットドラマシリーズである『ストレンジャー・シングス 未知の世界』を見て覚えたそうで、一家は近々、友人や家族と一緒にCPRを学ぶ講習会を開催する予定だという。さらにCPRの重要性だけでなく、いち早く緊急通報をすることの大切さも訴えており、「子供たちには、ロックがかかった携帯電話から緊急通報する仕方を教示する必要がある」とも述べていた。

ちなみにこのニュースには、「よくやった」「ヒーローだね」「ストレンジャー・シングスは私の大好きな番組。あれでCPRを覚えたなんて!」といった声のほか、「プールで遊ぶなら、行動療法士のほかにもう一人大人がそばにいるべきだった」「行動療法士はベビーシッターではないからね。親がついているべき」「これはいい教訓。助かった男性はラッキーだったと思う」という厳しいコメントも寄せられた。

なお今年3月にはブラジルで、8歳の女児が温水浴槽の循環ろ過装置の吸水口に髪を吸い込まれ意識を失った。女児は約85秒後に救出され、父親らがすぐにCPRを施したことで救われていた。

画像は『ABC7 2023年9月13日公開 YouTube「12-year-old saves drowning man, credits CPR learned from ‘Stranger Things’」』のサムネイル、『ABC7 2023年9月13日付「Caught on video: 12-year-old saves drowning man, credits CPR learned from ‘Stranger Things’」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)