※本稿はExcel医『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)を再編集したものです。
■Excelの「初心者」と「できる人」では何が違うのか
まず、「Excel初心者」の操作と、「できる人」の動作を比べましょう。
「初心者」の操作、やりがちです。
たくさんのデータの中から見たいデータだけを表示したいときってありますよね。でも、頑張って手作業で抜き出すなんてことしちゃダメですよ。
「フィルター」を使えば一瞬でできます。
■ショートカットキーを覚えれば時間の短縮になる
[表に移動してCtrl+Shift+L]
表の1行目はデータの項目名を示すヘッダー行にしてください。表に含まれるセルを選択して、[データ]タブの[フィルター]をクリックすると、フィルターが作成されます。ショートカットキーはCtrl+Shift+Lです。
ショートカットキーが断然おすすめです! ちなみに、表のセルを全選択する必要はありませんよ。表の範囲をExcelさんが判断してくれます。
フィルターが作成されると、項目の右にボタンが表示されます。準備はこれだけです。
あとは、項目のボタンをクリックして、条件を選択します。試しに「血液型」がBまたはOで、「出身地」が名古屋の人だけを表示してみましょう。
まず「血液型」の[▼]をクリックして、AとABのチェックを外します。
この時点で「血液型」がAとABの人は表示されなくなります。次に「出身地」の[▼]をクリックして、大阪のチェックを外します。
これで完了です。フィルターをかけている項目だけ、ボタンの表示が変わります。
■キーボードの片隅に潜む、使い慣れたら手放せないキー
ここで注目してほしいのは、シートの行番号が「1」「5」「8」と飛び飛びになっていることです。要するに、フィルターの条件に合わないデータを非表示にしているだけなんですね。
見えなくなっているだけなので、これに対してSUMIF関数を使って男性の数だけを数えようとしても、元のデータに対して使用したのと同じ結果になってしまいます。フィルターしたデータを使いたい場合は、フィルターした表を別の場所にコピー&ペーストしてから使用してください。
ちなみに、現在選択しているセルの値でフィルターをかけたいときは、このショートカットを知っていると便利です。こんな感じです。
「え、メニューキー? 使わんし!」
まあそうですよね。右クリックで表示されるメニューから選択していけばいいのですが、これをマウス操作で行うのは面倒です。使い慣れるととても便利なショートカットキーなので、これを機にメニューキーからのショートカットもぜひ覚えておきましょう。
メニューキーはキーボードの下の方に配置されていることが多いですが、キーボードにない場合はShift+F10でも代用できます。
■「Excel指南書」では説明が省略されがちな意外な盲点
ところでフィルターの解除、どうしていますか? フィルターの解除は、[データ]タブの[クリア]をクリック、またはAlt→A→C(All Clearで覚えましょう)でやりましょう。
え? まさかフィルターのボタンを1つ1つクリックして、「すべて選択」を、なんてしていませんよね? ……私はしていました。
多くのExcelの書籍では、フィルターのかけ方は解説してくれていますが、フィルター機能自体が結構直感的に使えるので、つまずくこともそんなにありません。でもクリアの仕方までは説明してくれていないことが多いのです。初心者はこういうところで意外とつまずいてしまいます。
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Excel医医師
内科医として勤務する中、職場の悲惨なデータベースを見てExcelを猛勉強し、初心者レベルからVBAを習得するまでに至る。ユーザーフォームで組織内のシステムを構築し、業務効率を改善し、生産性の向上を遂げる。2020年6月よりTwitterを開始し、非IT系のExcel初心者に向けた情報を発信。フォロワー数は6万人を超える。
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(医師 Excel医)
外部リンクプレジデントオンライン