パリ暴動のきっかけとなった警察官発砲事件から、7月27日で1カ月。この日、パリ在住の元フジテレビアナで現在は日本に帰国中の中村江里子が、古巣の番組「ぽかぽか」に生出演した。中村は7月25日に自身のSNSで、家族と一緒に帰国したと報告したばかりだった。

「東京に着いた翌日。荷物の片付けや時差ぼけで睡眠2時間 朝1番に向かったのは区役所。次女の中学校通学の許可を頂く為に」

 SNSにはそうした書き込みからは、2人の子供の夏休みが終わっても、日本に滞在することを窺わせている。パリ在住の商社マンが言う。

「時差ボケもなおりきらない間に中村さんがフジテレビに出演したのは当面、日本で活動するつもりだからでしょう。夏の間、パリは観光客だらけで、役人も長期のバケーションに出かけて不在。行政サービスが受けられません。それに加えて今年はホテルの宿泊費やレストランも、暴動前に比べて4倍から5倍に価格が暴騰しており、パリ五輪を前に、さらに値段が上がる一方。それでいて、テロや暴動に巻き込まれる危険とは背中合わせです。少なくとも五輪が終わるまでは、パリに戻らないのが賢明でしょう」

 中村だけではない。パリ暴動の最中に自宅マンションが放火され、車上荒らしにまで遭ったのは、作家でミュージシャンの辻仁成だ。ブログで超緊迫の現地暴動レポートを展開したのだが、ライブ活動のため帰国中である。

 さらには元TBSアナでフリーキャスターの雨宮塔子も自身のSNSで、子供の留学先に滞在中だと明かしている。女優の杏は7月28日に公開された映画「キングダム 運命の炎」のプロモーション活動のため、フランスと日本などを行き来。つまりパリ在住の有名人が、暴動の地から続々と脱出しているのだ。前出の商社マンが言う。

「今は警察官も暴動を起こした移民も『夏休み』。暴動のドサクサに紛れて店舗からブランド品を強奪したような連中は、観光客をカモにしてガス抜きできている。問題は冬です。小麦と原油の値段高騰に、パリ五輪に伴うインフレが追い打ちをかけ、移民を含めた国民の生活を直撃する。今度は『パンをよこせ!』とフランス革命のような暴動が起きるかもしれません」

 パリ五輪は来年7月26日に開幕予定。はたして開催できるのか。