現在、チームは最下位とやりくりに頭を悩ませる石井監督(C)CoCoKARAnext

 昭和の任侠映画でよく聞いた、こんなセリフが思い浮かびます。

「おどれも吐いたツバ、飲まんとけよ」−。

 いったん口から出た言葉は、絶対に取り返しがつかない。だから発言には、より慎重にならなくちゃいけない。

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 現在、パ・リーグの最下位に沈む楽天の石井一久監督も、かつての自身の発言に苦しめられていると言っても過言ではないでしょう。

 2019年シーズン、楽天史上初の生え抜きからの指揮官就任となった平石洋介監督は、前年に6位だったチームを3位まで引き上げながら、退任を余儀なくされました。このときのGMが、現在の石井監督だったのです。

 そして、この「3位」という順位について、当時の石井GMからは「僕の中では3段階に分けたらBクラス」という発言があったことで、ネット上が沸騰したのも無理はありません。

 スポーツ紙のデスクは言います。

「平石さんは杜の都のファンにとっては特別な存在なんです。2004年、新規参入したばかりの楽天から7巡目指名され、翌2005年の開幕一軍に名を連ねた、いわば楽天イーグルスの『創業メンバー』。ファンやメディアを大切にして、人一倍チームを想い、指導者に転身してからも上層部と選手との潤滑油として頑張っていた。簡単に退任させてはいけない人だったんですよ」

 石井監督は2021年こそ3位になりましたが、2022年は4位。ともに前述のロジックで言えば「Bクラス」ということになります。さらに今シーズンは最下位に沈んでいるわけですから、それでも監督の座に居座り続けるのは、「言動不一致」と言われても致し方ない状況にあります。

 前述のデスクは言います。

「12球団それぞれに、本拠地の風土に合ったカラーというものがあります。仙台はやはり温かさや人情味のあるところが土地の特色。移転して住んだ人間がこの街を気に入るのも、そこに理由があるんです。ビジネスライクに効率を求める手法は否定しませんが、ならば結果を出せよというのがみちのくのファンの本音でしょう。田尾さん、野村さん、星野さんらが築きあげてきたイーグルスのカルチャーが途絶えてしまうとすれば、ファンが異議を申し立てるのも無理はありません」

 6月1日現在、借金10。チーム打率2割1分1厘に沈む打撃面のテコ入れは急務です。まだ96試合が残っているとはいえ、まずは交流戦でセ・リーグを叩き、1つでも借金を返済していきたいところです。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]