イーロン・マスク氏が2022年10月28日付けで440億ドル(約6兆4000億円)でTwitterを買収したことが報じられていましたが、その後のTwitter社の動向に伴って、2023年4月28日時点でのTwitterの評価額は、マスク氏による買収額のわずか3分の1である150億ドル(約2兆1000億円)にまで切り下げられたことが明らかになりました。

Twitter Worth Only Third of Elon Musk's Purchase: Fidelity - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-05-30/twitter-is-worth-33-of-musk-s-purchase-price-fidelity-says



Twitter value keeps falling under Musk, now worth a third of what he paid | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2023/05/twitter-value-keeps-falling-under-musk-now-worth-a-third-of-what-he-paid/



Twitter’s value down two-thirds since Musk takeover, says investor | Twitter | The Guardian

https://www.theguardian.com/technology/2023/may/31/twitters-value-down-two-thirds-since-musk-takeover-says-investor

Musk says Twitter value is down to $20 billion, calls firm an “inverse startup” | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2023/03/musk-says-twitter-value-is-down-to-20-billion-calls-firm-an-inverse-startup/

資産運用大手であるフィデリティ・インベストメンツは2023年5月28日に、Twitterの全体的な評価額が約150億ドルであることを発表し、マスク氏がTwitterを買収する際に支払った価格の約3分の1に減少したことを明かしました。

また、フィデリティ・インベストメンツの投資信託ファンド「フィデリティ・ブルーチップ・グロース・ファンド」が保有するTwitter株の評価額は、2022年11月末時点で約863万ドル(約12億円)、2023年1月31日時点で約780万ドル(約10億8000万円)と見積もられていましたが、2023年4月28日時点では655万ドル(約9億1300万円)と下落傾向にあることが報告されています。

マスク氏がTwitterを買収して以降、Twitterでは大規模な人員削減や無料APIの提供終了によるサードパーティー製Twitterアプリのブロックなど、マスク氏による買収以前からの方針を転換して、Twitterの内外ともに大幅な改革を進めていましたが、2023年2月にはTwitterの主要広告主1000社のうち半数以上の625社が広告出稿を停止したことが判明しています。

Twitterの主要広告主の半数以上が広告出稿を停止、広告による収益も急落 - GIGAZINE



さらにマスク氏は従業員に対して、「広告に依存する現状では悪化する経済状況に対処できません」と述べ、Twitter Blueなどの有料サブスクリプションサービスに注力して、「収益の半分をサブスクリプションから得る必要があります」と語っていました。一方で2023年4月時点でのTwitter Blueへの加入アカウントの総数は約50万件と、大きく伸び悩んでいることが報告されていました。

Twitterの青色チェックマークを保有していた著名人アカウントのうちTwitter Blueに加入したのはわずか3%未満であることが明らかに - GIGAZINE



しかしマスク氏は2023年3月に従業員に対して「2023年3月時点でTwitterには約200億ドル(約2兆6000億円)の価値があります」と報告し、依然として不安定な財政状況にあるものの、大規模な従業員削減などを行うことでTwitterの破産は回避できたことを明かしています。一方マスク氏は、Twitterを「逆スタートアップ」と呼んだこのメールの中で、将来的に2500億ドル(約34兆円)以上の評価を得るための「困難だが明確な道筋が見えている」とも語っています。

さらにマスク氏は2023年5月に、Twitterの抜本的な改革を進めるため、次期CEOとしてリンダ・ヤッカリーノ氏を任命し、自身はCEOを辞任しプロダクトやソフトウェア、システムオペレーターを監督する執行委員長兼CTOの任に就くことを発表しています。

イーロン・マスクがTwitterの新CEOに元NBCユニバーサルのリンダ・ヤッカリーノ氏を任命 - GIGAZINE