この記事をまとめると
■日本で自動車免許を取得する際は、教習所に通ってから試験場に行くのが一般的
■しかし海外に目を向けると、運転免許の取得までのプロセスは簡素であることが多い
■自動車製造・販売で世界第二位のアメリカを例に挙げて詳しく解説する
日本よりも安く短期間で取得できる国が多い
改めて、日本での自動車運転免許証の取得方法を振り返ってみると、都道府県の運転免許試験場に行く前に民間の自動車教習所に通うのが一般的な方法だ。
教習所では、最初はクローズドエリアで低速走行しながら、街なかをイメージした交差点で信号機に従って、発進、徐行、停止を行う。また、クランクコーナーでの走行、坂道発進など、クルマの運動特性である「走る・曲がる・止まる」について、受講者は頭と身体でしっかりと理解することから始まる。
隣には指導員がいて、受講者が自車の前後左右の安全を確認しているかどうかも、しっかりとチェックしてくれる。
次に、仮免許によって公道に出る。それまでは、学科教習で見てきたさまざまな道路環境や走行環境をリアルワールドで体験する。
こうしたステップを踏みながら、受講者は数週間から1カ月ぐらいかけて一歩ずつ前に進んでいく。日本での教習所のシステムと、それに伴う数十万円の対価について、多くの日本人は「これが運転免許取得の王道」として受け入れてきた。
一方、海外に目を移すと、多くの国や地域で、運転免許の取得までのプロセスが簡素であり、それに伴う料金も安いことが多い。
日本人にとっても、いわゆる経済後進国であれば、運転免許取得が「それほど苦労しない」ようなイメージを抱くだろう。
ところが、自動車先進国の多くは、日本と比べると運転免許取得は短期間かつ料金も安い場合が少なくない。
アメリカには自動車教習所が存在しない!
さらには、自動車教習所という存在がない、または独自の施設を持たず自動車教習を提供する民間企業が多くあり、その料金もさほど高くないのだ。
代表的な例は、自動車製造・販売で世界第二位のアメリカだ。アメリカ合衆国は50州とコロンビア特別区で構成されており、運転免許は各州の法規によって、取得できる年齢など、さまざまな違いがあることは日本でも良く知られていると思う。
運転免許を取得するためには、自宅がある地域を所管するDMV(デパートメント・オブ・モーター・ヴィークル)に直接出向き、筆記テストと実車を公道を走らせる実技テストを受ける。
基本的に、実技で使うクルマはDMV側で用意しないため、家族や友人などからクルマを借りるのが一般的だ。
そうなると、実技でぶっつけ本番になってしまうため、州によって規定や条件が若干違うが、運転免許所有者が助手席に乗った状態で公道での練習することが可能だ。
また、そうした練習用のクルマが用意できない人で、実技試験を踏まえたしっかりした指導を受けたい場合は、民間の教習提供会社(いわゆるドライビングスクール)に依頼することになる。
そうしたサービスは多くの場合は、指導員が受講者の自宅まで迎えに来て、そのまま自宅周辺の公道で走行する。受講者の走行の出来栄えによって、教習の時間にも多少差があるが、教習時間は日本の教習所と比べればかなり短い場合が多い。
教習の内容は、学科試験でも出てくるような、道路交通法上の基本ルールを確認しながら走るのだが、どちらかといえば、DMVでの実技試験対策といったピンポイントでの教習が主体といった印象がある。
このような免許取得の方法が当たり前であるアメリカ人からすると、日本の自動車教習所という仕組みはかなり特殊に感じるのではないだろうか。
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