なぜ中古車販売店でラーメンを提供?その経緯とは
2018年秋、グルメ関係者をざわつかせるニュースがありました。鳥取県の中古車販売店で提供されるラーメンが、ミシュランガイドブックに掲載されたのです。
その後、一躍全国から注目を集めた中古車販売店のラーメン店「ホット・エアー」ですが、2023年3月現在はどのような状況なのでしょうか。
鳥取県の中古車販売店ホット・エアーはラーメンの提供を行っており、2018年秋には、タイヤメーカー「ミシュラン」が出版するガイドブック「ミシュランガイド」にも掲載され、話題となりました。
【画像】腹減った…! これは美味そうなラーメンを見る!(11枚)
ミシュランガイドは、1900年にタイヤメーカーのミシュランがタイヤの使い方や修理法、あるいは駐車場やレストランなどの情報を記載したフリーペーパーをドライバーに配ったのが始まりです。
今では世界各国の飲食店やレストランなどを紹介するようになっており、ミシュランガイドは食通な人々が注目するグルメ本として知られています。
そんなミシュランガイドは、2007年から東京版が発売され、その後さまざまな地域の飲食店やレストランなどが紹介されています。
ミシュランガイドといえば、星での評価をイメージするかもしれませんが、「ビブグルマンの部門」というものがあり、星は付かないものの、コストパフォーマンスが高く、十分満足できる味を提供している飲食店やレストランが選ばれています。
そこで掲載された店のひとつが中古車販売とラーメン屋を営むホット・エアーです。
ラーメンと中古車は、いっけん関連付けにくいですが、どのような経緯で2つを経営するようになったのでしょうか。店主の吉田さんは以下のように話します。
「もともとクルマ販売店で働いており、その後中古車販売店を開業しました。しかし、中古車販売だけで利益を得られるか不安があったため、並行してラーメン屋を経営しました。
もともと料理が好きで、地元のお祭りなどで料理を振る舞っていたのですが、人に喜んでもらえることがすごく嬉しくなり、『店をやってみよう』という決断をしました」
吉田さんには飲食業界での経験がなかったため、ラーメン店の開業に対しては周囲も心配していたようですが、スープなどの試作を繰り返し、美味しいラーメンを食べることができるクルマ屋さんとして地元で人気になりました。
そして、「ミシュランガイド 京都・大阪+鳥取2019」のビブグルマンの部門に掲載され、さらに注目されるようになっていきます。
コロナ後、来店者は9割ほど減少。ラーメンに変化はあった?
その後2020年ごろから日本でも新型コロナウイルス感染症が猛威を振るうようになります。
飲食店やレストランは、営業時間の短縮や休業などの要請を受けたこともあり、営業不振に陥ってしまったところも多くあるようです。
そうした中、ホット・エアーはコロナ禍をどう乗り切ったのでしょうか。
ホット・エアーも、ほかの飲食店やレストランと同様に、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたといいます。
「新型コロナウイルス感染症が流行する前と後では、やはり来店者数が大きく異なりました。
コロナ前ではゴールデンウィークやお盆などの連休で来店者が多い時期は100人ほどが店の前に並んでいることもありましたが、コロナ後になってからは9割ほど減少しました。
しかし、現在(2023年3月時点)では、新型コロナウイルス感染症も落ち着いてきたため、コロナ前の約3、4割減となっています」
そんなホット・エアーのラーメンですが、地元の地鶏やしょうゆなどの素材や調味料にこだわった、変わらない味を提供しています。味のこだわりについて、店主の吉田さんは以下のように話します。
「ラーメンの味は当初と特に変わらずずっと同じ味を作り続けています。
作るのに慣れてきているため、以前より美味しく作れているかもしれません。ホット・エアー独自のこだわりのスープが楽しめるラーメンを提供しています」
鶏ガラを主材にして、真昆布や自家製煮干しなどのだしを合わせているスープは、温度や時間に気を使い繊細に仕上げられています。
ミシュランガイドに掲載された実力は、新型コロナウイルス感染症の前と後で何も変わっていないようです。
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中古車販売店でラーメンを提供するという一風変わったラーメン店ですが、その味はミシュランガイドも保証しています。鳥取県を訪れる機会がある際には、「ホット・エアー」に寄ってみるのもいいかもしれません。
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