日本では6割の夫婦が陥ると言われるセックスレス。「思い起こせば完全レスになる前からトラブルだらけでした」と語る朋美さん(仮名・52歳)にお話を伺いました。夫との離婚を最初に考え始めたのは今から20年以上前、第一子妊娠中に起きたある出来事だったといいます。

レス夫、引っ越し作業も丸投げ!「もうやっていけないかも」
前回は、家事に非協力的な夫と、共働きを全否定してくる義母に翻弄される新婚当初のお話をしました。
淡泊で一方的なセックス、頻度も少なく内容に不満もあったものの、夫とは同じ方向を向いていると信じて暮らしていたといいます。そんなとき、朋美さんの妊娠が発覚しました。
●第一子妊娠。夫婦共有名義の一戸建てへ移り住むことに
結婚当時、私たちが住んでいたのは、もともとは夫が独身時代から暮らしていた1LDKのマンションでした。夫婦2人なら余裕があっても、これから子どもが生まれてくるとなればもう少し部屋数があったほうがいいねという話になり、近くの親族が持っていた土地を買って一戸建てを建てることになりました。
それまで私が働いていることを義母にはごちゃごちゃ言われ続けてきましたが、いざマイホームを購入するとなったときは、夫婦で住宅ローンを利用できたのはすごくよかったです。
細部にまでこだわったマイホームが完成する頃には、私のおなかもすっかり大きくなっていました。
●「全部まかせる」と言う夫。話し合いすらできない

夫は激務というわけではなかったのですが、家のことは相変わらず私まかせ。それは引っ越し業者の選定ひとつとっても同じで「全部まかせるよ」と言って相談にものってくれません。
私がひとりで4社くらい探して、連絡を取り、見積もりに来てもらいました。ちょうど春先ということもあり、引っ越し業者から提示された費用はどこもびっくりするほど高額でした。値段やサービスを比較しながらなるべくリーズナブルなところにお願いすることにしたのですが、それでも私の1か月分の手取りが吹き飛ぶくらいの金額になってしまいました。
引っ越し直前、業者から送られてきた段ボールを見て夫が「そういえば荷造りってだれがするの?」とぼそり。大きな家具や電化製品は業者の人にお願いして、こまごましたものは、自分たちで段ボールにつめておいておくというプランにしたことを説明すると、「あ、そう」と言ったきり。
●一生連れ添うのは無理かも。妻が初めて離婚を意識した瞬間

数日後、私が「自分の荷物は自分でつめて」と言いかけると「全部まかせるって言ったじゃん」とかぶせ気味に夫が反論してきました。まさか身重の私が家じゅうの荷造りをやらされることになるなんて。
時期的に引っ越し費用がかさむから、なるべく安いプランにしたことは伝えてあったので、休日に少しは手伝ってくれると思っていたのですが、夫はやる気ゼロ。
こんなことなら割高になっても業者が全部やってくれるプランにすればよかったと深く後悔しました。そしておなかが大きくてもつわりがあっても、夫が私の体調を気遣ってくれることは一切ありませんでした。このとき初めてこの人と一生やっていくのは無理かも…と離婚を意識し始めました。
第一子誕生。夫婦が寝室を別にするまで
そんなこんなで、なんとか新築の戸建てに引っ越しが完了。そして、無事に長男が誕生しました。
子どもが生まれてからも、夫は、仕事と朝のゴミ出し以外はなにもしないという姿勢は変わらず。
●「俺は仕事があるから」と育児に参加しない夫

私が産休と育休を取っていたこともあり、「家事も育児も、休んでるんだからお前がやって当然。俺は仕事があるから」とハッキリ言ってのけるのです。
どんなにしんどくても義母や近所の親戚の目もあるし「協力してほしい」とは言いづらい空気でした。
ただ生まれたばかりの長男の育児だけは「私がやらないとこの子が死んでしまう」という思いだけで毎日必死にこなしていました。
今、冷静に思えば「お前、父親だろ!」と言いたくもなるのですが、当時は3時間おきの授乳に家事全般を一人でやりきるだけで、毎日へとへと。精神的にも肉体的にもだれかを頼りたいと思う余裕すらなくなっていました。
●そして夫は寝室を出て行った…

子どもが夜泣きをしてしまったある夜のこと「災害級のうるささ。明日も仕事なのに!」と吐き捨てて、夫が寝室を出て行ってしまいました。この日を境に、夫婦の寝室は別々に…。
それでもこのときはまだ夫が嫌いになったわけではなかったのですが、物理的に体の距離が離れたことがきっかけで、だんだんと愛が冷めていったお話は次回したいと思います。